|
意思決定に役立つ Web 解析3 〜データを実務で活かすためには〜アクセス解析やアンケート結果など、分析に関わる情報が集まったら、これらをいかに用いるかの工夫が問題となる。その方法としては以下の4つが考えられる。
(1)データを定量的に処理する (2)グラフなど視覚に訴えて意味づけをする (3)仮説を立て検証しさらに意味を深める (4)結果のシミュレーションを行う (1)は、事実を分析する際に最もよく用いられる。ここでの鍵は「指標(KPI)の工夫」だ。行動の分析をするのであれば、「訪問回数」や「1訪問あたりの売上高」などの類だ。この際、すべてのことを金額に換算し、内容ごとにコストを検討すると、業務の刺激となり、より改善が図りやすくなることが多い。 (2)の代表として動線分析が挙げられるが、事象の因果関係や起こるべきタイミング、プロセスなどを図に表示して視覚的に再把握する作業は、自ら考えたり、他人を説得する上での有力な手段となる。思考を助ける視覚への訴求方法を工夫することは、きわめて有意義だ。 (3)は、一定の現象から仮説を導き、その再現性や確度を検証して法則化し、さらにそれを適用して応用へと進むプロセスであり、科学の王道といえる。ニュートンの万有引力の法則をはじめとした自然科学の分野では、多くの法則が発見され、実地に適用され、進歩してきているが、特に社会科学の分野では再現性が低く、実験も難しい。 とはいえ、具体的な個々の課題に直面したとき、行き当たりばったりで一貫性がなく、ただ試行錯誤を繰り返す人と、「何故か?」を自問し、仮説を立ててその理由を探り、現実に照らし合わせて検証しつつ、着実に解決の道を探す人とでは、分析能力に大きな違いが出る。科学的態度と方法を取れば、どのような課題にも取り組むことができる。 先日、あるクライアントからこんなことを言われた。「アクセス解析というツールはアクセスデータを収集した結果、仮説と取るべきアクションを勝手に出してくれるわけではないのですね。案外、遅れていますね」と。 自然科学の分析と、経営のための分析の一番の違いは、自然科学がデータを絶対の与件として「そこにどのような関係や法則があるか」を探ろうとするのに対して、経営の分析は、関係や法則もさることながら、「経営に活用するためにどの情報を得るべきか。その情報が与えられたときにマネジメントとしては何をすべきか」を追及しようとするところにある。データを正しくマネジメントに適用しようと思ったら、表面の現象に安易に飛びつかず、「現象の背後にある現象」を正しく読み取る努力が要求されるということを強調しておく。 (4)のシミュレーションは、未知数のことが多い現実の世界で結果を想定するために、可能な限り現実に近いと思われる条件を与えて、具体的に実行した場合を想定し、将来を先取りして正しい決断を導こうとする努力だ。遠方の町を訪ねる際に道路地図が必要なように、未来にも道案内のための地図が欲しい。経営の世界は「不確実」と「未知」の状況に満ちた世界であり、経営戦略に基づく計画は漠然と進めたのでは達成困難だ。 しかしながら、未知のものだから地図が描けるはずがない、などと言ってはいられない。未知の将来で成功するためには、あらゆる場合を想定し確率を考えるなど、未だ起こっていない事実を現実に引き寄せて考える努力が必要だ(但し、シミュレーションを行う際、希望的観測や恣意的になることは避けるようにしたい。) 以上、4つのポイントを述べたが、分析の成果を実務で活かすためには、Web 解析を用いて現状を「見える化」することもさることながら、仮説検証やシミュレーションによって、関係者の意思統一や心構え・準備を進めることが肝要だ。そのためにどのようなデータが必要か、を是非社内で検討していただきたい。その検討を開始することから、正しい意思決定の手がかりは必ず掴める。 (株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美) 記事提供:株式会社デジタルフォレスト
関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
|
|