InternetStockレポート2001年11月19日 00:00
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Windows XP は失業者の増加に歯止めをかけられるか

この記事のURLhttp://japan.internet.com/isreport/20011119/8.html
著者:Bill Bennett
海外internet.com発の記事
Windows XP は、パソコン業界復活の起爆剤となり、IT セクターを再燃させ、失業者の増加に歯止めをかけるだろうとある記事には書かれていた。またあるレポートでは、世界経済を方向転換させ、IT 雇用を刺激すると書き立てている。

Windows XP の発売キャンペーンで、Bill Gates 氏は、クリスマスまでに1千億ドルがコンピューターに費やされることになるだろうと宣言した。また、技術革新こそがパソコン業界再興の鍵であり、こうした技術革新は、部外者によって過小評価されていると述べた。 

果たして、Microsoft が言うように、Windows XP は世界の IT 雇用市場を活性化できるのだろうか。

確かに、Windows 95 が発売された当時は、新規のパソコンの売上は増加し、ハードウェア、アプリケーション、ソフトウェアもアップデートされた。これは、まさしく史上最大で最長となる売上増加と開発ブームの始まりとなった。さらに、Windows 95 を採用した企業では、サポートスタッフの雇用が増えた。 

Windows XP は、Windows 95 以来の最大の OS のアップグレードと考えられており、そうなると、Windows 95 と同様の支出や雇用の波が発生すると考えられても全く根拠がないわけでもない。Microsoft は Windows XP は使い勝手も導入も簡単だと説明しているが、だからといってテクニカルサポートが必要ないというわけでもない。

Windows は、新しいバージョンが出回るたびに、サポートスタッフを減らすことができると宣伝しているが、新しい OS は、新たなサポートの問題を生み出しているところを見ると、XP もご多分には漏れないだろう。例えば、XP 初期ユーザーからの報告によれば、特定の機種ではソフトがコピーできないなど、アクティベーション・プロ セスにいくつかの問題があるという。

XP を導入すれば、その後2〜3年間はテクニカルサポートの仕事が増えると思われるが、それは最近の就業年数と比べるとはるかに長い期間である。つまり、雇用の発生は一時的だが、ある意味、永続的なものになるということである。

肝心なのは、企業が XP を導入するかどうかというところだが、率直に言えば、急いでアップグレードするところは少ないだろう。

これには二つの理由が考えられるが、一つは、企業の効率化に役立たないことだ。フリーズしにくくなるのはいいが、マルチメディア機能が充実したからといって、ハードウェアやソフトウェアのアップグレードに多額の費用をかけようとは思わない。

次に、XP にアップグレードする企業は、ハードウェアも一緒にアップグレードしなければならない。新しいアプリケーションのためにアップグレードするのなら話もわかるが、社員が音質のいい音楽を聴いたり、高画質の映像を見るためにアップグレードするのなら意味がない。

リサーチ会社の Gartner や IDC もこれに同調しており、2002年までに XP を利用する企業はわずか16%にとどまるだろうと予測している。さらに、企業の中には、Windows 2000 へのアップグレードさえもまだまだ検討中だとするデータもある。

Windows XP はポジティブな効果をもたらすと考えられるが、経済の不透明さや世界の IT ビジネスの低迷を考えると、XP の出現で仕事の数は減らないということだけは言えるだろう。

XP がハードやソフトの販売ブームを巻き起こしたところで、IT 産業にナレッジワークが新たに発生するとは考えにくい。事実、OS やアプリケーションにおける Microsoft の独占により、ソフトウェア業界の仕事は以前より減っているのだ。

10年前には大規模なソフトウェア会社は多く存在したが、現在、雇用をもたらすものは、Microsoft、Oracle、IBM くらいしかない。近年では、多くの雇用がインテグレーションやインターネット開発分野で発生しているのだ。

Microsoft が独占を拡大するにつれて、XP は雇用を創設するどころか、こうした仕事さえも無くしてしまいかねない。Bill Gates 氏が何と言おうと、ハードウェア研究開発分野で働く者は減少しているのだ。

かくして、パソコンメーカーは不振に陥っており、メーカーは標準の部品で標準のデザインを量産している。徹底的なコスト削減で成長することを学んだ Dell Computer や Apple、他のパソコンメーカーでは、こうした研究開発離れは進んでいる。

そうなると悪循環が生まれる。十分な開発がないと、パソコンをアップグレードする理由がなくなり、それがパソコン販売の減少につながる、さらに、売上が減ると技術革新の余裕がなくなり、産業全体の雇用がさらに落ち込むことになる。

XP に対する独立系のメディアやアナリストの反応は、無関心と慇懃無礼の中間といったところだ。XP の販売はまあまあとする予測がほとんどで、Bill Gates 氏の言葉に近いものはひとつもない。派手な前宣伝を尻目に、業界は XP に対して慎重な態度を取っていると言えよう。

これは、ある程度は景気の低迷やテロ事件に起因しているとの意見もあるが、それでもこの18カ月間に失われたパソコン業界の仕事が取り返せるとは思えない。

しかし、将来性のある新技術も多く出現しており、PC ビジネスで培ったスキルは思った以上に使い回しがきくという良い知らせもある。

ここで、今後5年〜10年間に仕事の保障を求める元パソコン産業従事者に一言。活発で競争のあるテクノロジー市場を見つけ出すことだ。競争は多ければ多いほど良い。競争があると報酬も良いし、チャンスも多い。仕事も面白いものが多いのだ。


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