Microsoft 自身が音楽プレーヤー市場に参入するとしたら、現在採っている戦略から大きく転進することになる。同社は、Creative Technology や iriver などの音楽プレーヤーベンダーに対するサポートのみを行なっており、これまで自社製プレーヤーは手がけていなかった。これはパソコンメーカーとの関係と同様で、Microsoft はメーカーに『Windows』を提供するものの、自社製パソコンは手がけていない。
『New York Times』紙が7日に報じた記事によると、Microsoft はすでにエンターテインメント業界の経営幹部たちに対し、音楽/動画プレーヤーの開発計画について概要を説明したという。開発予定の機器は、先進ディスプレイ技術およびワイヤレス機能を搭載し、パソコンがなくとも音楽のダウンロードが可能なものになるとの話だ。
Microsoft が自前の音楽プレーヤーを開発中との報道は、「憶測とうわさに基づいたもので、現在当社から発表することは何もない」と、同社の広報担当者は述べている。
しかし報道が事実だとしても、現在の Microsoft パートナー企業にとって悪いことばかりではないかもしれない。
コンサルティング会社 Creative Strategies のアナリスト Tim Bajarin 氏は、次のように述べている。「ある音楽プレーヤーメーカーの人間と話をしたところ、Microsoft による音楽プレーヤー参入は必ずしも困った事態にはならないだろうと語った。世界的に見るとまだ規模の小さな音楽プレーヤー市場が、Microsoft の参入によって成長するのなら歓迎すると、この人物は述べた」
ただし、Bajarin 氏をはじめとするアナリストたちは、携帯音楽プレーヤー市場をほぼ独占している Apple と対決するためには、Microsoft が人心をつかむプレーヤーとサービスを提供しなければならないだろうと確信している。
Apple は、ハードウェアの iPod と音楽販売サービスの『iTunes Music Store』(iTMS) を自社展開している。この戦略が生み出している同社の優位性の1つは、ハードウェア/ソフトウェア (サービスを含む) の仕様やデザインといった方向性について、自ら掌握できることだ。それに対し Microsoft がこれまで通り、パートナー企業に対するライセンス提供を継続するならば、多数のハードウェアベンダーをサポートしなければならず、更新や変更に関して素早く行動できるとは限らない。
調査会社 JupiterKagan のアナリスト Joe Wilcox 氏は、次のように述べた。「Microsoft が隅々まで掌握した場合、かなり優れたユーザー体験を提供できることは、『Xbox』で明らかになっている」