インターネットがもし100人の村だったら2001年にマガジンハウスから出版され100万部を超えるベストセラーとなった「世界がもし100人の村だったら」という本を覚えているだろうか。
この本は、もともとインターネット上で電子メールを介して広まった話をもとにしていて、タイトル通り世界を100人の村に置き換えて説明し、わかりやすく人口比率や貧富の差を説いたものである。 ちなみに、冒頭の一説は次のように始まる。 もし現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。 57人のアジア人 21人のヨーロッパ人 14人の南北アメリカ人 8人のアフリカ人 がいます。 このように世界を縮小して説明されると、「現在世界には66億人を超える人間が住んでおり、アジア圏の人口は…」と説明されるよりも遥かにわかり易い。 今回はこのような考え方で、インターネットという世界を100人の村に例えてみたい。 現在のインターネットを100人の村として考えると、 21人がアメリカ人 12人が中国人 7人が日本人 4人がドイツ人 4人がイギリス人 4人が韓国人 3人がフランス人 3人がインド人 3人がカナダ人 2人がイタリア人 2人がブラジル人 2人がスペイン人 2人がロシア人 1人がオランダ人 1人がメキシコ人 31人がその他の地域の人 となる。 ※2007年3月6日に調査会社 comScore Networks が発表した調査データを使ってアウンコンサルティング試算 上記のようにインターネットを100人の村に例えてみると、日本のインターネット人口はたった7人しかいない。裏を返せば、日本から少し外に目を向けてみれば93人もの人がインターネットの世界にいることがわかる。 しかも、日本のインターネット人口はここ数年頭打ちになっているのに対し、世界のインターネット人口は1年で10%も増加している。にも関わらず、インターネット上での日本企業の海外進出はあまり話題にならない。 実際、エクスポート・ジャパン株式会社が2007年11月に発表した調査データによれば、上場メーカーの外国語サイト所有率は、英語サイトで7割程度、中・韓国語に至っては1割前後だという。 これはあくまでも上場メーカーの外国語サイト所有率だけを見たものなので、非上場企業やメーカー系企業以外の所有率はより低い傾向にあるのではないか。 さらに、筆者が実際にお会いした多くの Web 担当者からうかがったところによると、外国語サイトを所有している企業でも、実態としては単に所有しているだけでアクセスアップ対策やログ解析などのマーケティング活動は一切できていないという意見や、基本は現地法人に任せっきりになっているため良くわからないといった意見が多い。 日本の人口は減少傾向が顕著で、国内市場は必然的に縮小傾向にある。そんななか、すでにリアルな市場では日本企業は積極的に海外に目を向けるようになり、大手メーカーを中心に海外へ進出し、海外での売り上げ比率のほうが国内を上回る企業も存在する。 例えば、東洋経済新報社の調べによれば、ホンダは海外の売り上げシェアが86%、キヤノンは78%、世界のトヨタは74%だ。 それなのに、インターネット上での日本企業の海外進出意欲はいまだ低調で、本気で取り組む企業が少ないというのが現状であるように思う。 リアルで成功してから、ネットで、と考えているようなら、それは大きな間違いだ。日本がそうであるように、海外でもネットマーケティングとリアルマーケティングはビジネスを展開する上で、もはや車の両輪のようなものだ。 インターネットの出現によって、本来海外に行かなければ手に入らなかった商品でさえ、自国にいながら購入できるようになり、情報も一瞬で国境を越えるようになった。 アメリカやヨーロッパは当然のこととして、今後はアジア圏でのビジネス展開にもネットマーケティングが欠かせない。その際、どこに進出するにしても、ネットマーケティングの中心となるのは SEM(検索エンジンマーケティング)だろう。 例えば、中国の調査会社である艾瑞咨詢集団(iResearch)が2007年12月に発表した「2007年7月-9月サーチエンジン市場報告」を見てもそれは明らかだ。経済発展の著しい中国ではインターネット人口が増加し、それに伴って検索数が大きく伸びているという。 2007年7月から9月の国別月間検索数が中国は世界で初めて100億件を超え、インターネットの世界記録を打ち立てたという。また、同社では「現在、中国のインターネット利用者数は1億7,200万人にまで増加し、サーチエンジンの利用はすでにネット利用者の96%以上におよぶ」とも発表した。 当然のことだが、日本であれ海外であれ Web サイトは作っただけでは人は集まらない。多くの人が集まる場へ入り口を用意する必要がある。ネットでそんな多くの人が集まる場所といったらどこだろう。それこそが検索エンジンという場所ではないだろうか。 しかし、SEM といっても国内と海外の場合では異なる部分もあり、ご存知のように国によっても利用率の高い検索エンジンは異なっている。また、国民性の違いなどにより、検索キーワードの傾向やクリックされる広告表現のあり方なども変わってくるので、十分なナレッジや客観的な分析能力が必要になる。 機会があれば、次は海外の SEM 事情について、そうした点も含めてご説明したいと思う。 (執筆:CBM グループ 山口奈々) |