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2008年9月5日
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Webビジネス2008年6月20日 10:00

検索エンジンスパムと認定されないための回避策

国内国内internet.com発の記事
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感覚的に十分理解できるかと思うが、アイトラッキング調査によるユーザーの検索行動を分析しても、一般的に Web 検索(自然検索)の上位、検索結果の1ページ目に掲載されることはターゲットとする見込み顧客を自社サイトに誘導する上で大変重要なことだ。

しかし同時に、その「上位」の席は数が限られているにもかかわらず、かつ、問合せやダウンロード、購入、売上など成果(コンバージョン)に結び付けられるキーワード、つまり「商業的に価値が高いキーワード」ほど競合する企業も群がってくる。したがって、各々の Web サイトが、検索エンジンから適切に、かつ、できるだけ高い評価を得られるように、検索エンジンに最適化しようとあれこれ模索をすることになる。

検索各社は、サイト運営者による検索エンジンに対するあらゆる最適化施策を拒絶しているわけではない。たとえば Google は SEO を white hat(正義)と black hat(悪者)に分類し、前者、たとえば URL を静的化する、サイト内のページをリンクで適切に結ぶ、アンカーテキストにクローラーが理解できるテキストを記述する、コンテンツを解読可能にするといった、クローラーの存在を意識し、検索エンジンが適切に登録し、それを解釈・評価できるようにする類のことは歓迎しているし(ウェブスパムチーム、Matt Cutts、2005, 2007, 2008)、サイト運営者に対して公開している Web マスターガイドラインに準拠する限り、施策そのものを否定するような態度はとっていない。

Yahoo! も同様だ。しかし、どの検索エンジンも許容しない行為は、検索品質を低下させ、ユーザーの利便性を損なう類の施策だ。つまり、検索順位の不正操作「のみ」を目的とした手法を使うことである。いわゆる検索エンジンスパムと呼ばれる行為だ。

今回はこの「検索エンジンスパム」をテーマに話を進めていきたいが、最初に言葉の定義をはっきりさせておく。Google では、「Web スパムとは隠しテキスト、偽装クローキング、誘導ページなどの手法により、Google の Web クローラを欺こうとするサイト」、Yahoo! では、「検索エンジンスパムとは、検索キーワードと十分な関連性がないにもかかわらず、意図的に検索結果に表示されるように操作をしているページを指します」としている。

まとめると、「検索順位の操作のみを目的とした、検索品質の低下を招く行為」を指す。

ここで念のためスパムの定義を持ち出しているのは「順位が下がること」がスパムやペナルティー(を受けた)ことだと勘違いしている方が見受けられるためだ。

あなたが運営するサイトの検索順位が下がる要因は多数ある。(1)今日の検索エンジンはインデックス更新が毎日行われていること、(2)アルゴリズムの調整は逐次行われ、その結果ページやサイトの評価が都度変わること、(3)パーソナライズ検索が作用していること(Google)、(4)アクセス環境によって検索順位が変わること(Yahoo!)、そして(5)順位は常に相対的なものであることから、順位はある一定の範囲内において変動することが自然である。

よく「先週まで1位だったが今日は8位になった」から何か悪いことをしてしまったのではないか?と考える方もいるが、その程度の変動はどのサイトでも当たり前のように起きていることだ。

仮に、昨日まで5位だったものが今日は50位になったとしても、その原因はあなたの行った SEO に問題があるのではなく、単純にアルゴリズムの更新によってスコアが変わった結果かも知れないし、他にキーワードと関連性が高いと判断されたページが多数出現したのかも知れないし、これまであなたのサイトにリンクを張っており、スコアに影響を与えていたページが消滅しただけの話かも知れない。

基本的に、あなた自身がガイドラインに違反した行為を確信的に行ったという事情がない限り、安易にペナルティやスパムと判定するのは大きな誤解であることを覚えておいて欲しい。

ところで今日テーマにするのは、その悪意ある行為を確信犯的に行った「検索エンジンスパム」の話である。

検索エンジンスパムと判定された場合、特定または全部のリンク評価を無効にする、特定のページまたはサイト(ドメイン)全体をインデックスから除外する、といった対応を行う。検索品質を保持するために検索会社が行う措置としては当然のことである。

検索各社とも、インデックスへの再登録申請を受け付けているため、一定の期間を経れば復活できるものの、一時的に完全にインデックスから外されるため実害が出るのは必至だ。また、「再登録できるからいいや」とリスク覚悟で危険な行為を何度も何度も行ったとき、その都度検索会社が親切に再申請を受け付けてくれるとは限らない。近年は Blog や SNS などによる CGM の発達により、インデックスから除外されること自体が話題となり、イメージの低下につながる恐れもあるだろう。

いずれにせよ、検索エンジンへの掲載が重要であるのであれば、最大限の集客を実現するための方法を考えつつも、それはガイドラインに定められたルールの範囲内の中で行うように努める必要がある。

さて、ごく一部の業種を除けば、SEO を通じて集客や売上の最大化は目指したいけれどもインデックスから除外されてしまうことは避けたいと考えている。それにもかかわらず、リスクとリターンを天秤にかけ、リスク覚悟でガイドライン違反または極めてグレーゾーンに位置する手法を多用する企業も後を絶たない。

この理由は、(1)米国と比較してスパム取締りが緩い、(2)ポジションは限られている以上はリスクを覚悟する、(3)スパムをやっている認識がない、といった3つに分けられる。

まず1つ目、全体的に見ると米国と比較して日本のサイトに対する検索エンジンスパムの取り締まりの程度は厳しくない。米国(英語)サイトであれば完璧にアウトでも日本では非常に効果的に働いてしまう手法も存在する。そうした手法をどこかの企業が実施すると、それを真似て皆が追随してしまうという具合だ。

この問題については、直近1年を見れば検索会社(日本担当)もそれなりにがんばっているという印象だ。典型的なリンクスパムは無効化されつつあるし、そういったリンクスパムが有効に機能しないようにアルゴリズムが調整されつつあるので、この点については過去同様に楽観的に考えていると、痛いしっぺ返しを食らうことになる。

問題は(2)で、特に SEO をアウトソース(外注)している場合は注意が必要だ。リスクを認識・判断して手法を試すのはアウトソース先の SEO 会社かもしれないが、スパムと判定されて実害を被るのは依頼者であるクライアント側だ。以前、あるクライアントから「SEO 会社ってスパムは一切しないからプロとして仕事してるんでしょう?」と質問を受けたことがあるが、残念ながらスパムをしない会社もあるし、スパムを行う会社もあるのだ。

また、アウトソースしている会社の担当者に限って、インデックスから外された時に原因として何が考えられるかを全く理解できていないことが多い。つまり「丸投げ」をしているために、インデックスから外されたという事実はわかってもそれ以上はわからず、復旧方法や今後の施策について全くプランが作れない状況に陥ってしまっている。

「3日で1,000万円稼げます」というキャッチコピーを見て、そのまま丸ごと信じる人はあまりいないだろう。アウトソース先を選定するとき、「○○日で1位になります」といったセールストークに惹かれるのは十分に理解できるが、そこに存在するリスクも認識すべきだろう。

最後の3つ目だが、これは社内(インハウス)の場合の SEO 担当者、アウトソースの場合の SEO 会社側の担当者双方に対して言えることだが、意外と検索エンジンが定めるガイドラインに目を通していなかったり、その意味や解釈を正しく行っていない人が多い。たとえば Google は Web マスター向けに膨大な量のヘルプを用意しており、それを一通り読めば基本的な事項は理解できるはずだ。

Yahoo! も Google ほどではないがサイト管理者向けとして情報を提供している。Microsoft も然りだ。(インハウスの場合)SEO が専門ではないのだから全部を理解するのは無理かも知れないが、最低限、ガイドラインくらいは理解しておいたほうがいいし、部分的にでもアウトソースするならなおさらだ。逆にサービスとして提供する側、特にサイト制作を主とする会社でも SEO も一緒に提供するならガイドラインの内容を確認して、それに違反しないコーディングや手法を提供するように注意したほうがいいだろう。意外と、純粋に良かれと思って悪意なく、結果としてスパムとなってしまうという事例は少なくないのだ。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)


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