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2009年7月4日
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Webビジネス2008年6月16日 16:30

付加価値 SaaS は SaaS 2.0 なのか?

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SaaS 市場が成熟するなか、筆者には将来の成功と失敗を分ける重要な境界線が見え始めている。

その境界は、いずれは勝者と敗者を切り分け、その過程において顧客が SaaS ベンダー各社に期待するものを定義していくのに十分なほど明確になっている。そして、これらの期待は今ようやく現れ始めたばかりの一連の次世代 SaaS ベンダー各社を活気づけていくようになる。

今筆者の目の前に現在の SaaS 市場を2つの本質的な要素にわけている境界線がある。2つの要素とは、パッケージに取って代わる専用の SaaS と、どうしてもパッケージで再現できない付加価値サービスセットとしてのそれだ。

革新的、つまり、投資家は言うまでもなくイノベーションを活用しようとする者が賭けるべき場所を定義しているのは後者だ。

付加価値 SaaS を簡単に考えてみるとこうなる。全く、もしくはあまり自動化されていなくても、企業ですでに行われているサービスをネットに置き、多数のユーザー、パートナー、そして サービスプロバイダーを参加させる。そして、これらの利害関係者らをすべてリアルタイムでネット上でリンクさせ、データやプロセスを共有させてるネットワーク効果でデータやサービスの蓄積を開始するのだ。

次に、データ/プロセスアグリゲーターとしての立場で提供を開始できる付加価値プロセスを分析側を中心に解明する。パッケージや非付加価値 SaaS の世界で競合各社がしていることに対し、必須となるであろう顧客向け新サービスとしてこれをすべて提供する。

筆者お気に入りの例が2つある。1つは国際貿易サービスで、もう1つはサプライチェーンリスク管理だ。

前者の GT Nexus は、中国にある同社発送センターからペンシルバニア州ピッツバーグにある店頭への出荷台数をトラッキングおよび分析するサービスを提供している。同社の付加価値は、国際貿易市場の物流管理プロバイダー、メーカー、小売業者、カスタムブローカーなどの各利害関係者からの情報を集約する能力だ。

これらの参加者全員が GT Nexus のネットワークに接続されているため、新しい顧客は瞬時に参加し、各種出荷戦略やコストを把握するほか、世界中の物流管理チェーンにまたがる情報ストリームに基づいて出荷台数をトラッキングすることもできる。

付加価値は明らかなはずだ。GT Nexus が提供できる情報の質や量を1つ会社で SaaS を利用する顧客全員にまとめて渡すことのできるところは1社もない。

2つ目の例が、設立まだ間もないサプライチェーンリスクベンダーの New Momentum だ。この会社は、(有名なところから、さほど有名でないところまで、公開/非公開の両情報源から)戦略電子部品や、そうでもない電子部品の価格、在庫の有無、およびリードタイムに関する膨大な量の市場データを集めている。

そして、顧客がこのデータを使って新製品のデザインや既存製品のデザイン見直しを行ったり、潜在的な部品不足の可能性など、製造計画に支障を来す可能性のある各種問題の追跡を行う。

繰り返すが、付加価値は明らかだ。多くの企業は同様の部品をまとめたパレットを利用しており、これらのパーツや、それらを供給するベンダー各社の情報を必要としている。新しい顧客は、New Momentum の SaaS システムにログインした直後から既存の情報ベースを利用し、ほかの全メンバー企業の情報ニーズの累積価値によって大幅に強化された部品市場の窓口を活用できる。

これらは、増え続ける付加価値 SaaS の例のうちのわずか2つに過ぎない。このような例は SaaS 専用ベンダーに対する理解が深まれば、ますます増えていくだろう。

もちろん、コモディティ化がどのベンダーも無価値にしないのと同じように、付加価値 SaaS の概念も既存の非付加価値 SaaS ベンダー各社を無価値にはしない。付加価値 SaaS が無価値にするのは、非付加価値サービス以前の高額スキーマを背景にしたベンダーのビジネスモデルだ。

つまり、付加価値サービスがより多くの革新を吸収する一方で、SaaS 専業ベンダーはコモディティ価格モデルに屈服することになる。

われわれは、付加価値の効果がすでに確立する前に、Zoho などのベンダー各社や、Microsoft の CRM 対高価な Salesforce.com といった相対費用構造におけるコモディティ化の脅威の始まりを目の当たりにしている。興味深いことに、この付加価値コンポーネントを持った顧客関係管理(CRM)専門の SaaS サービスは目にしたことがないが、どなたかご存じならば情報を提供していただきたい。

さて、これは SaaS 2.0なのだろうか? 付加価値 SaaS は実証済みのコモディティサービスとなりつつあるものを次世代に向けて洗練させているという意味で、筆者はそう思う。ネットワーク効果をベースにして価値を付加する概念は新しいものではないが、それを SaaS などの低い TCO で実現すれば魅力は倍増する。

この転換は今後5年前後で固まり、ベンダーが SaaS で成功するのに必要なのは低い TCO でパッケージを実現することだけだ、という考え方にに対しても有益な見方が定まるだろう。

パッケージをベースにした革新や、それを超えるものは、次世代 SaaS サービスを明確なものとし、それらの存在は市場、顧客、そしてネットワーク効果の実現を助けるパートナーに素晴らしい価値を与える。付加価値 SaaS は、競争しようにも手も足も出せない能力の低い SaaS 専業ベンダー(およびパッケージベンダー)を除く全員にメリットを提供することになる。

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