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2009年7月4日
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Webビジネス2008年6月6日 10:00

検索エンジンの世界で、何故ソーシャルメディアマーケティングは注目される?

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■世の中の動きが、検索行動やサイトの評価に影響を与えている
世の中で起きた出来事や人々の興味や関心事、そして個人・企業が日常的に行う経済活動が、ユーザーの検索行動はもちろん、検索エンジンによるサイトやページへの評価に影響を与えている。

Yahoo!検索ランキングが示すように、テレビやニュースサイトで報道される話題に人々が関心を抱いた時、その対象に対する検索回数は上昇するし、Blog や SNS などの CGM(Consumer Generated Media)で話題になれば関連する話題のコンテンツやリンクが生まれる。

たとえば、先日ソフトバンクから Apple の iPhone 発売の発表が行われたのに呼応し、多数のニュースメディアや Blog がそれを取り扱い、ソフトバンクのコーポレートサイトや当該リリースページに対する多数のリンクが発生していることからもイメージしていただけるだろう。

こうした事象を検索マーケティングのテクニカルな視点で捉えてみると「特定キーワードの検索回数が上昇し、関連 Web ページへのトラフィックが増加している」「ソフトバンクのサイトに対して自然リンクが大量に発生し、当該サイトへの被リンク数が上昇している」、したがって、ソフトバンクのサイト(ページ)に対する検索エンジンによる重要度の評価は上がったといえる。

■SEO は目的?それとも結果?
しかし、特に後者について「ソフトバンクは、(被リンクを上昇させるという意味において)“SEO”を目的に iPhone の発表を行ったか?」といえば当然ながら No だし、そんな風に考える人はいないだろう。
あくまで、ソフトバンクの企業活動の1つが、検索システムの世界に対して影響を与え、間接的に検索エンジンからの評価が上昇したという結果に過ぎない。ソフトバンクに対する被リンクが増加したことは結果であって目的ではない。

こうした間接的作用を積極的に活用しているのが米 Amazon で、同社はアフィリエイトマーケティングのシステムに検索エンジンの存在を意識した技術要件を加えることにより、同マーケティングの進捗に連動して自然リンクが増加するように工夫している。

このマーケティングプログラム自体は(検索エンジンからの評価を上昇させやすくするという意味で)SEO をスコープに入れてはいるが、アフィリエイトマーケティングが成功しなければ決して評価は上昇しないため、検索エンジン対策の効果はあくまで副産物にすぎず主たる目的はアフィリエイトだ。
しかし、このアフィリエイトの展開において、そこに参加する人は誰も SEO それ自体を意識しているわけではないという点に注目してほしい。あくまで活動が影響を与えているに過ぎない。

■検索エンジンフレンドリーな状態は必要
さて、検索エンジンは世の中の情報を整理し、ユーザーからの検索要求に対して関連性(レレバンシー)の高い検索結果を提示するための方法の1つとして、リンクのつながり(web connectivity)を評価し、ページやサイトの重要度を推し量ろうとしている。

この時、本当に評価したい対象とするリンクは先に触れた、自然発生的に生まれたリンクやコンテンツだ。それならば、仮に世界中の誰もが検索エンジンの存在を知らされずに経済活動を行っていたとしても、検索エンジンは適切な検索結果を返すことができるはずなのだが、現実はそうそう上手くいかない。

たとえば、先のソフトバンクの iPhone の例に考えてみよう。もしソフトバンクが発表文を(まずありえないが)Flash で公開したり、クローラーがアクセス不可能な形式の URL であったり、あるいはクローラーという正体不明のアクセスを拒否するなどしていたら、インデックスすることはできない。

同様に、世界中の Web 制作者が好き勝手に、Ajax  やFlash、画像、動画などの技術をベースとしたサイトを構築して情報発信を行ったり、E コマースサイトが自社の商品在庫データベースとの最適な連携と消費者行動の解析のみを考えてシステムを構築していたら、世界中に情報は溢れかえっているのに、検索エンジンにそれが何のコンテンツであり、何のキーワードと関連するのかを正確に認識することが困難を極め、結果的に適切な関連性を保つことは難しくなってしまう。

そこで、発信した情報が人々だけでなく、検索エンジンに対しても意味を持つ、つまり、「発信した情報が検索エンジンにも適切に伝達され、その内容や重要性が評価されやすくする技術」としての、つまり検索エンジンフレンドリーな状態を維持する手法としての SEO が要求される。


■コンテンツ回帰へのきっかけとなる SMO
私たちは「SEO をする、しない」といった具合に、SEO を行為ととらえて話をすることが多いが、別に「SEO をしない」からといって検索エンジンの上位に表示されないわけではないことは、ここまで紹介した事例でもって理解していただけただろうか。

オーバーチュア・スポンサードサーチやグーグル・アドワーズ広告は「広告」である以上、広告費用を支払わなければ決して検索結果には表示されないのに対し、自然検索でのリストを目的とする SEO は、仮にそれを「しなかった」としても、日々の経済活動が十分に人々のアテンションを得るに足るものであり、かつ、Web サイト自体が構造的・コンテンツ的に検索エンジンが理解・評価されやすい「状態」に保持されていれば、「SEO をする」という行為を考えなくても、(関連キーワードで検索結果に上位表示される、という意味で)SEO されているといえよう。

つまり、SEO は「状態」を維持していれば、本来は何も意識しなくても問題はない存在ともいえる。

しかし、現実には、マーケットにおける競争戦略上、他社が積極的に資金を投入してリンクを大量に獲得できる施策(積極的な行為)を行っているのであれば、そして検索エンジンからの売上のインパクトが大きな業種であり、一般サイトから被リンクを得られるチャンスが低いほど、対抗上、外部リンク対策も積極的に展開する必要に迫られる。

とはいえ、多くの SEO 担当者は、こうした SEO を目的とした外部リンク対策よりも、前半で触れた「自然リンク」を獲得することが最良の SEO であることは理解しているし、検索エンジン側もそうした自然リンクを数多く集めているサイトほど高く評価している。

ただ、これまでは自然にリンクが張られるような、日常的に人々の注目を集められる企業は多大なる広告予算をテレビや新聞、雑誌などにつぎ込んで告知活動が行える大企業や、非常によく知られたブランド商品やサービスを持ち、人々の興味の琴線に触れるような商材を扱う企業だけに限られていた。

しかし、この現状を変えうる可能性を秘めたメディアが Web 上に出現した。それがソーシャルメディアだ。

Blog や SNS、ソーシャルブックマーク、ソーシャルニュース。これらユーザー参加・共有型のサイトは、それ自体が SEO 的価値を持つリンクを直接的に生成するわけではない。しかし、これらのメディアで注目を集めた個々の商品やサービスは、大量のトラフィックやリンクを間接的に集めることができる。テレビや雑誌に比較すれば、これらのオーディエンスはほんの一握りの層に過ぎないが、彼・彼女らは同時に積極的に関わりを持つし、Blog などで紹介をする可能性がある。

日本なら livedoor CLIP や Buzzurl、はてなブックマーク、海外なら digg といったサービスがあるが、たとえば digg であればトップページで紹介されることで平均被リンク数が数日間で500ほど増えていたり、はてなブックマークでも同様にトラフィックが通常の10倍以上になることは少なくない。

これまで自分が関心あるコンテンツを見つけ出すためには検索エンジンを使う必要があった。しかし、どんなに良質なコンテンツを Web で発信しても、それが検索エンジンで見つかる状態でなければ閲覧も評価もされず、結局(良質であっても)人に見せる機会は生まれなかった。

しかし、ソーシャルメディアが出現し、それを見て良いと思った人々が集まることでアテンションを得て、そしてトラフィックが生まれ、Blog などで紹介されることで被リンクが集まり、検索エンジンでも見つかるようになり、そしてまた検索経由で訪れた人々に評価されるといった具合にそれぞれが巡回し、良いコンテンツが見つけられやすいようになった。

こうした Web 環境の変化に目をつけ、米国では1〜2年の間に検索マーケティング関連の Blog やニュースメディアでも SMO や SMM などの話題が頻繁に取り上げられ、また検索系コンファレンスでも必ずといって良いほどソーシャルメディア関連のセッションも設けられるようになっている。

SMOや SMM はあくまで Blog や SNS、ソーシャルメディアなど新たに台頭したメディアへのマーケティングであって、SEO は目的ではない。しかし、それを上手く展開することで SEO に影響を与えることができる。ソーシャルメディア自体は無視できない存在になりつつあるので、それに対する施策を行いつつ、同時に検索エンジン対策もできるという点で効率的といえる。

また、SEO 主目的とした外部リンクはリンク獲得とソーシャルメディアマーケティングを通じて自然発生的に得られたリンクのコストやパフォーマンスを比較した時、後者が圧倒的に優れている。

SEO はそれ自体を目的としなくても、他のマーケティング施策から影響を与えることで実施する方法もあるということを認識し、本稿で触れた SMO に限らず各種の企業活動を見直してみたらいかがだろうか。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM総合研究所所長 渡辺隆広)


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