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伸び行く P4P(検索連動型広告)市場を牽引する隠れた主役株式会社電通が今年発表した日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2007年(平成19年)日本の広告費」(PDF)によれば、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌のマスコミ4媒体は3年連続して前年を下回った。一方、4年連続増加となったインターネット広告費が、ついに雑誌広告費を抜き去り第三の広告としての地位を確立している。
インターネット広告市場の中でも特に伸びが顕著であり、同市場を牽引していると見られているのが、リスティングや PPC、P4P と呼ばれている「検索連動型広告」である。 当社が発表した「第3回(2008年)国内 P4P 市場規模予測」(PDF)では、検索連動型広告費はインターネット広告費の30%を占め、今後3年間でその構成比は40%にも迫る勢いだ。しかしながら、その検索連動型広告市場の伸びは全業種、全階層的なものではないと筆者は捉えている。 その中身を精査した場合、業界としては美容・健康をはじめ、メディア、不動産、金融、人材等、同市場をこれまで牽引してきたいわゆる上位層に関しては、ここ数年の市場拡大の影響を受けて出稿企業が増加。競争が激化し、連動して出稿するキーワードの CPC(クリック単価)も数年前に比べ上昇傾向にある。 つまり、新規での出稿自体もハードルが高くなりつつあるのが実状である。競争の過熱ぶりは予算規模の大きい既存広告主にも少なからず影響し、費用対効果の観点から予算増加の妨げの要因ともなっている。よって、一部の例外を除き、同業界、階層における市場規模としては微増ながらも伸び率は鈍化していることが推測できる。 では一体どの業界、階層が検索連連動型広告市場を牽引しているのか。それは隠れた主役、つまり日本企業の約99%を占めるといわれる「中堅・中小企業」、または「個人」の新規出稿需要増にあると筆者は考えている。 数年前、中堅・中小企業の多くが大手に追随するかの如く、一斉に自社ホームページを作成して多くの制作会社が潤った時期があった。最近では、Web サイトを活用したプロモーションの必要性が浸透し、Web サイトを制作する際にデフォルト(初期設定)として P4P(検索連動型広告)や SEO(検索エンジン最適化)のパッケージ提案をする企業が増えつつある。 そういった背景もあり、業種に限らず多くの企業がサイト制作を行うにあたりプロモーションとしての P4P(検索連動型広告)出稿をより身近に感じるきっかけともなっている。 また、Overture 社、Google 社のセミナー登壇をはじめとする啓蒙活動、情報発信、管理画面のユーザビリティ向上、機能充実等インフラ整備。これにより、同広告の特性、利点が多くの企業担当者に普及し理解される機会が増えている。そうしたことによって、限られた予算ながら自社で出稿を試みる企業が多く出現していることも市場拡大の要因として見て取れる。 ここで検索連動型広告の自社出稿について、いくつか例をあげてみよう。 例えば、自社の人材採用活動について。昨今は営業人材不足、売り手市場などといわれ自社での人材の確保に各企業とも頭を悩ませている。求人広告の出稿時期が不定期、かつ限られた予算、ターゲットも営業、経理、新卒などと目的に応じて異なり、ピンポイントの人材を一定数、近隣地域で短期間に募集をかけたいといった悩みは多く耳にする。 そのような場合、検索連動型広告は SEO に比べて即効性があり、効率的な集客が図れるプロモーションとして使い勝手が良く評価が高い。 業界で例をあげるとすると飲食業界。新年会や忘年会、謝恩会シーズンなど短期間イベント向けプロモーションの必要性が高い。または企業が開催する様々なセミナー。社会問題化している年金や資産運用、会社における労務関連などをテーマとしたセミナーでの集客を図りたいといった場合があるとしよう。 集客時期が不定期でコンテンツも多種多様におよぶプロモーションにも、出稿の仕方が工夫できる検索連動型広告は効果的である。 企業だけではない、個人が複数の Blog やサイトを運営する時代である。モール出店企業が自社 EC サイトへの集客へ活用する場合はもちろんのこと、アフィリエイト広告市場が伸びている背景を受け、サイトを運営するアフィリエイター自らが Blog やサイトへの集客増加策として即効性のある検索連動型広告を個人で活用する例も増えている。 以上のように、検索連動型広告の活用は、BtoB、BtoC だけでなく CtoC といった市場にまで広がりを見せている。今後、個人が主役となるスモール・ミドルマーケットが確実に成長していくことが予想される。それと同時に、その市場を牽引する役割を検索連動型広告が担っているといっても過言ではないだろう。 一方で、これらの新規の出稿広告主を出稿初期から支援できる、軌道に乗るまでサポートできる、企業であったり受け皿あるいはサービスという点においては発展途上段階である。そういったニーズに対する支援体制やサービスの充実を図ることで検索連動型広告市場はまだ大きく伸びる余地があると筆者は考えている。 Overture は昨年10月、一定の基準を設けた上で多種多様な広告主の出稿ニーズに応えるべく「オンライン代理店制度」を立ち上げてインフラの整備、充実を図っている。 これは非常に有効な取り組みであるが、埋めきれないエアスポットは確実に存在する。 不定期で予算規模も一定でない出稿形態は、代理店を介した運用にあまり向かない。契約期間や手数料、アカウント(口座)の維持など、双方にとって難しい課題が発生する場合が多いのが実状である。どの商取引においても、双方にとって安定して利益を残せる取引関係が構築できないと負担が拭えず出稿が続かないのである。 また、こうした広告主が出稿を継続していくためには、より効果的に精度の高い広告を出稿し、効果を実感していくことが必要となる、つまり一定のノウハウ、ナレッジを初期段階だけでなく、レポート提供も含めた PDCA サイクルを安定して提供できる環境作りが必要である。 そこには広告主自身でのノウハウ、ナレッジの蓄積も自助努力として一定レベルで必要となってくることは避けられない。効果を最大限追求していくためには、広告主自身がP(PLAN)=戦略=出稿方針を主体的に策定していくことも今以上に必要となってくる。 (執筆:アウンコンサルティング株式会社) 関連記事 最新トップニュース
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