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2008年10月8日
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Webビジネス2008年5月16日 10:00

Steve Ballmer 氏が辞任すべき理由

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改めて聞きたいのだが、なぜ Steve Ballmer 氏が Microsoft の最高経営責任者(CEO)なのだろうか? 同氏にはビジョンも、カリスマ性も、エンジニアリングに関する信頼も、他社を経営した経験もない。

交渉がうまくないことは Ballmer 氏本人も認めている。そして、今では同氏の取引能力や決断力も疑問視されている(しかも、同氏は80年代の「スパイダーウーマン」のマンガに出てくる悪役に似ているし、Microsoft の顧客や中傷者などの間では、Microsoft の CEO としての実績よりも「Dance Monkeyboy」ビデオの方で有名だ。)。

Ballmer 氏はさらに、Business 2.0 Magazine が選ぶ2006年度の「10 People Who Don’t Matter」(いらない人トップ10)にもランクインした。世界最大のソフトウェアベンダーの CEO としてはかなりの偉業である。

1980年に Microsoft に入社するまで Procter & Gamble で2年間プロダクトマネジャー補佐を務めたことが Ballmer 氏の唯一の実務経験だ。同氏は2000年に CEO に就任するまでの20年間、Microsoft でさまざまな事業部のトップを務めてきた。しかしもちろん、当時同社を実際に経営していたのは創業者、会長、そして元 CEO の Bill Gates 氏だった。2008年の今年、Ballmer 氏は生まれて初めて1人で会社を経営しているのだ。

Yahoo!
Ballmer 氏が失敗した Yahoo! 買収は、失敗した Web 戦略を立て直すべく Microsoft が475億ドルを投じたものだった。Ballmer 氏は、Microsoft の戦略は好きだが3位に甘んじているのは嫌だとしている。しかし、Google、Yahoo!、そして Microsoft の相対的な「位置」は、各社の戦略から生じた必然の結果だ。Microsoft の株主は Microsoft の Web 戦略は好みでないはずだ。

Yahoo! が Microsoft の提案を断ったとき、Ballmer 氏は提示額を引き上げることも、敵対的買収に転じることもなかった。同氏はひるんで逃げ出してしまった。Yahoo! 買収の失敗は、Ballmer 氏側の弱点を表している。同氏は、発言こそ強気だが、本当の強さが求められるときには引き下がってしまうのだ。

Microsoft から Google へ移ったある幹部は、自身が異動したことに対し、Ballmer 氏がかんしゃくを起こし、「Google をメチャクチャにして葬り去ってやる!」などとさけんだことを明らかにしている。これにはだれも驚かなかった。問題なのは、Ballmer 氏が実際には「Google をメチャクチャにして葬り去ってやる!」ことがないことだ。同氏は口だけなのだ。

Microsoft に必要な CEO は、口だけの腰抜けとは正反対の人物だ。Microsoft に必要なのは、脅すのではなく、喜ばせておいて必要なときが来たら銃の引き金を引くという、甘い言葉をささやく殺し屋だ。

ビジョン
2007年の Steve Ballmer 氏の純資産(150億ドル)は、Google CEO の Eric Schmidt 氏のそれ(62億ドル)と Apple CEO の Steve Jobs 氏のそれ(57億ドル)の合計をはるかに上回る。この格差は、各 CEO がそれぞれの会社から引き出したポテンシャルに対して正当だろうか? 

Google や Apple の製品に対するビジョンは非常に明確で、製品を使っているとそれが「感じ取れる」ほど強いものだ。だから顧客は Microsoft から離れて Google や Apple を選ぶのだ。

Microsoft には「ビジョン」のことが分かっていない。このことは必ずしも致命的ではないが、Microsoft の CEO には、その代わりになる数字に関するスキルや大げさなしゃべり方以外の資質が必要だ。製品に影響を与える何かだ。たとえば、Bill Gates 氏には「技術」があった。

Microsoft が Google や Apple にこれ以上マーケットシェアを奪われないようにするためには、製品の品質に力の限りを尽くすリーダーが必要だ。Ballmer 氏が経営する Microsoft は買収、組織再編、、提携、そして戦略しかない。顧客に愛される製品作りは二の次にされている。これは変える必要がある。しかし、Microsoft の取締役に何かできることはあるのだろうか? 

企業統治
会社がその最大のポテンシャルを発揮するためには、CEO が取締役会に対して説明責任を果たす必要がある。しかし、Ballmer 氏はどこまで責任を果たしているだろうか? 

取締役会にとって厄介なのは、Ballmer 氏と Gates 氏の関係だ。Ballmer 氏は同社の創業者、会長、そして最大の株主の親友であり、学生時代からの友人だ。Gates 氏が望まない限り Ballmer 氏が解雇されることはないだろう。そして、Gates 氏は忠実な友だ。Ballmer 氏は役員であり、同社株の4%(Bill Gates 氏でさえ10%未満)を保有する主力株主でもある。これは、Microsoft とその株主にとって健全な状況ではない。

Microsoft の取締役会は、Ballmer 氏を解雇できるかもしれないし、できないかもしれない。しかし、Ballmer 氏を解雇することが、CEO の親友に支配されない通常の取締役会とは全く異なる作業になることが Microsoft の問題なのだ。

成功
皮肉なことに、もう1つの問題は Microsoft が常に利益を計上している点だ。しかし、現在は利益が出ていても、将来の大惨事を防ぐことはできない。Microsoft の OS の独占的立場は、Apple、Google、Linux などの挑戦を受けている。

同社は今も、概して過去の勢いに乗って惰性で進んでいる。Titanic 号も、(船長のミスが沈没を招くまでは)全速力でスムーズな航海を続けていた。このミスが発生したのは、大惨事のさなかではなく、すべてが順調に思えたときだったのだ。

筆者は、Microsoft が下降線をたどっていると言っているわけではない。問題なのは、今の進路を進み続ければ Microsoft がそのポテンシャルを発揮できなくなることだ。Bill Gates 氏の友人を雇用しておくため、というだけでは Microsoft が2位に甘んじる十分な理由にならない。

Ballmer 氏は Microsoft の CEO として適さないが、同氏は容易には解雇できない。だから、同氏は自社のためにも辞任し、その管理下で CEO を探し、移行プロセスを進め、150億ドルもらって会社を去るべきなのだ。

現在の Microsoft の取締役会には、タイプが異なり、解雇することもできるリーダーが必要なのだ。

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