「人間の学びを科学して支援する」をモットーに、人事コンサルティング事業や診断パッケージの販売を行う、wealth share株式会社の代表取締役社長 鈴木智之氏にインタビューしました。(取材日:2007-12-05/聞き手:佐藤 光祐)


--まず事業内容を教えてください。
 
弊社は、心理統計や脳科学、教育工学などの学術的成果を活用した人事コンサルティングと、診断販売の2つの事業を展開しています。

コンサルティングは、人事評価制度や教育体系、採用基準の科学的検証と改善を行っています。科学、というとそれ自体が目的のように聞こえがちですが、我々はあくまで企業業績という目的変数の向上の為に、最も「打率」の高い施策を客観的に導く上で、最も妥当性が高いのが科学だと考えています。例えば、大手の会社では、教育プログラムの数が100を超える場合も少なくありません。では、この中から最も業績に影響を与える5つの教育プログラムを明らかにせよ、という問題があったとします。この問題は、難しそうに見えますよね。人事部でこの問題に解答を導き出している会社は、かなり少ないと思います。当社の手法を使えば、この問題には解答を与えられます。例えば、この教育プログラムに投資することで8割の打率で、営業社員のグロスマージンを年間1000万円向上させることができます、というのが数値でわかります。主観はそこには介在しません。採用も、評価も同様に科学を用いて数値化・客観化します。

パッケージのほうは、動機診断8モデル(略称D8:ディーエイト)という診断を中心に販売しています。働く上で、辛いこと、多くないですか?私自身、会社員時代には結構辛い思いをしながら働き詰めの状態でした。なんであんなこと言うんだろう、あんな言い方しなくてもいいのに・・・、など働く上でのストレスの多くは、私の場合、仕事そのものというより、人間関係でした。そのような、職場でのちょっとしたストレスが、やる気を下げ、生産性を下げ、業績を知らず知らずのうちにブレーキングしています。そういう状態をなくすときに使う診断がこのD8です。ユングやフロイトなどの理論を、ビジネスで使えるように弊社の視点から統合したものです。

コンサルティングもD8も、超一流の御客様にご提供させて頂いています。電通グループ様、全日空グループ様、バンダイナムコホールディングス様、東京23区の職員研修を行う公的機関である特別区職員研修所様など、多くの御客様に恵まれています。また、2007年には業容拡大に伴い、組織を学習研究所とコンサルティング部の大きく2つに区分し、それぞれの専門性を活かす体制をより整えています。

--起業に至った経緯は?
 
大学時代から数学が好きで、大学卒業後にアクセンチュアに入りました。当時担当した業務は人の意識の調査や組織診断、学習心理学を使って従業員の育成プランを最適化することなどでした。在籍3年半でマネジャー(管理職)になりました。多くの人々は6年前後かけて管理職になるので、また管理職になれずに辞めていく人々もいる中、相当早い昇進だったと思います。アクセンチュアのマネージャーになった後、当時の上司とともにベンチャー企業の創業に参画しました。最初は5名程度だったのですが、2年ちょっとでグループ全体で50人くらいの規模の会社に成長しました。
私は、マネジメントコンサルティングというよりも、数理統計や心理学、教育工学などの学術的な手法に興味がもともとありました。そのベンチャー企業は、マネジメントコンサルティング的な側面が強く、また自分の理想とする事業とは視点が異なった為に、いつしか自分で会社を行うことを強く意識するようになりました。そして、wealth share株式会社を創業しました。
wealth share、というのは人材関連会社にしては非常に珍しい名前だと思います。この名前には私の原体験が詰まっています。思えば、私がこのような企業を通して社会に価値を提供したい、とおぼろげながら考えたのは中学2年生の夏休みでした。元々、東京育ちの私が東北に転校した頃です。当時の私は、地方における学習リソースの無さに愕然としていました。インターネットはもちろん、CS放送すらない時代ですから、学習リソースといえば塾か本の2つです。しかし、その田舎町には塾はもちろん、有名な参考書すらありません。私はそこで受験時期を過ごしました。悶々としていた頃、ふと学習心理学の本を手にとりました。これは面白いな、と思いました。リソースが整備されているかどうかという外部競争環境が不利な中、自己の記憶力や学習プロセスなどの内部競争環境を学習心理学の本によって高められそうだ、と感じたわけです。結果的に、受験勉強レベルで学習心理学がどの程度役に立ったかと言えば、あまり役に立たなかったのですが、人間の学習プロセスについて知りたいという、渇望的な欲求を抱き始めました。そして、人間の学習に関わる諸学問(学習心理学、認知心理学などの心理学や、脳科学、それらを支える数理統計学、組織行動学、哲学など)を学び始めると、ソクラテスやアリストテレス、孔子の時代から近代、現代に至るまで、人間を理解しようとする営みが非常に蓄積されていることに気づきました。
では、成人が多くの時間を過ごす企業という場における人材開発はどうでしょうか。それらの過去の蓄積を全く使わない、経験と勘に基づく施策があまりにも多いのではないでしょうか。これでは、私の中学時代と一緒です。つまり、学びたいのに十分に学べるリソースがない・・・、このつらさを私は思春期に経験しているだけに、昨今の企業内人材開発に対する想いがふつふつと沸いてきました。その沸点を越えたのが、当社を始めたきっかけになります。 
高度に設計された学べる環境というのは、多くの人の今と未来を決定します。学生はもちろんですが、社会人もそうです。学べる環境は、業績はもちろんキャリアをも変えてしまうでしょう。そのような環境は、まさに個人の財産・富となるはずです。その富なる環境を、数千年の歴史から生み出された人間理解に関する知的生産物によって、科学的に生み出すこと、そして生み出すだけでなく、より多くの人々に共有するための仕組みを構築すること。それが我々の目指している姿です。その意味で当社はWEALTH SHAREという、人材関連企業では珍しい名称を選びました。つまり、「WEALTH」とは、組織と個人の今・未来を決定する学習環境のこと、さらにその環境を構築するための過去数千年の人間理解のための知的生産物のことを指します。そしてそれを企業内という局面でSHAREするための支援を当社は行っています。

--3年後の目標は何でしょうか?
 
コンサルティング事業よりも、パッケージ事業にシフトしていきたいと思います。パッケージには我々の想いと研究成果が詰め込まれています。D8もそうです。日常で遭遇する、働く辛さ・大変さを少しでもなくし、また自分にとってもっともしっくりくるような仕事生活を送れるような支援をしていきたいと考えています。

また、当社の科学的蓄積を用いて、更にパッケージの本数を増やしていきたいと思います。とはいいながらも、パッケージの数だけ増えても仕方がありません。例えば、他社のある診断について学術的な研究がなされた結果、予測妥当性が0.30と非常に低い結果であった例などがあります。言ってみれば、受診者の実態を全く捉えていないのです。それなのに、この診断は昇進昇格時の参考材料として、少なくない企業で使われています。

我々は、こんな診断で、社員の将来が決まって欲しくないと、心の底から思います。この研究を紹介したある大学教授の分析によると、この診断の予測妥当性は十分検証できたはずなのに、診断提供元の会社が利益にあぐらをかいて、その検証と改善を怠っている、とまで言っています。当社は、そのような利益重視の考え方ではなく、本質重視の考え方に立って、3年後も事業を行えるような経営管理を今後も行うつもりです。

--今後の成長戦略を教えてください
 
現在は、心理統計が多くの当社パッケージの根底にありますが、この流れだけでなく、脳科学にも着手したいと考えています。昨今、人間理解が心理学的な側面からだけでなく、生理学的な側面からも進んでいます。この成果を、企業というフィールドに活かしたいと考え、現在も研究開発投資を多く行っています。

--最後にビジネスへの想いをお聞かせください
 
私には、今の会社を始めるに到った、劣等感や挫折があります。過去の自分を救いたい、今の事業を行わなければ救われない、そんな想いで事業を推進しています。心の声、とでもいうべきものに導かれて起業しました。
自分に嘘をついて高い目標を掲げることはしません。自らの虚栄心の為に会社を大きくすることもしません。自分の過去に正直に、心の叫びをしっかり受け止めて、形にしていくことこそが仕事だと思っています。

■wealth share株式会社の企業概要

社名  : wealth share株式会社
役員  : 代表取締役 鈴木智之
設立  : 2006年 
資本金 : 1000万円
事業内容: 1.D8による人材の採用・配置・ペアリング・顧客サービス
2.人事科学コンサルティング (採用、評価、教育)
3.人事科学に関する研究受託 (脳科学、心理学、教育工学、数理統計学と人事との関連研究受託)

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スペシャリストを必要とする企業への人材のご紹介、およびスペシャリティーを追求する方への転職支援を行なう株式会社コトラ代表取締役社長 大西利佳子氏にお話を伺いました。(取材日:2008-01-16/聞き手:田中 偉嗣)


--現在の事業内容をお教えください。
 
弊社は、金融、不動産金融業界に特化した人材紹介事業を行っています。投資ファンドから依頼されて投資先の経営層のポジションも扱うことがあります。

たとえば、会社が成長していく過程では、会社が変わらなければならないという局面が必ず発生するものです。その際に、会社を発展させる有効な方法として「人の流動化」というものがあります。人が変われば会社も変わります。その「人の流動化」を弊社ではサポートしています。
また会社というものは、お客様に充分なサービスをし、お客様から高いフィをもらって高い収益性を維持しなければなりません。高い収益性を持つことが会社の発展の第一歩です。そのためには、お客様に充分なサービスを提供できる優秀な人材、つまりスペシャリストが必要です。そういうスペシャリストたちが生み出され、育つためのサポートを弊社は行なっています。

--起業に至った経緯は?
 
私は大学(慶應義塾大学経済学部)卒業後、日本長期信用銀行(現新生銀行)入行したのですが、長銀証券に出向してマーケット業務を担当していました。その後、事業法人の融資、金融商品アレンジ業務なども担当し、新生銀行になってからは、事業法人本部で営業企画業務に従事しておりました。
でも学生時代から自分でやりたいことがいくつかあり、その中に起業するという夢もありました。私自身、自分の力を試してみたい、独立して自分の夢を実現してみたいという気持ちが強かったのです。

人材紹介事業の会社を設立したのは、銀行に勤めているときに、優秀な人たちを人事異動で駄目にしてしまうよりも、その人たちが望むようなエリアに定着させたほうがいいのではないかという考えを持っていたからです。
また転職を選択したほうがいい場合でも、的確な転職方法を知らない人たちに、適正な情報を提供してハッピーになってもらいたいと思ったのです。  求職者は自分の希望に適った情報を求め、企業の採用担当者は優秀な人材を雇用したい。その仲介をする弊社は、依頼者である企業様からお金をもらいながら、「よい人材を紹介してくれてありがとう」と言われ、求職者からも「よいご縁を与えていただいてありがとう」と言われます。人材紹介事業とは、弊社を含めた三者間がWIN&WINになりやすい素晴らしい事業だと思っています。

--今後どのような成長戦略をお考えですか?
 
弊社は現在、金融業界に絞り、投資銀行や投資ファンドの分野にフォーカスした人材紹介事業を行なっていますので、その分野をもう少し広げて、「金融の転職であればコトラ」と言われるようになることが中期的な目標です。そのためには常に新鮮な情報量を抱え、ある程度の社員数も必要になってくると思っています。  今はコンサルタントが4名いますが、収集できる情報量が増えなければ、完全なサービスをご提供できなくなります。完全なサービス提供を達成するためにどうしたらいいのか? それは社員を増やしたらいいのか、業務方法を変えるべきなのか? 別な事業理論を学ぶべきなのか、マッチング戦略を変えるべきなのか? など、日々の改善をしながら少しずつ成長するのが、弊社のあるべき姿だと思っています。

--企業としてどのような目標を掲げていますか?
 
プロフェッショナルに評価されるようなサービスを提供していきたいと思っています。弊社には、年収のベースが1000〜2000万円の方々が多く登録しています。登録者のプロフィールに関しては、きちんとした評価システムに基づいて、詳細な情報を蓄積しています。またサイトの一般ユーザーに対しても、金融業界の最新情報をサイトに掲載しています。弊社の情報を、金融業界のプロフェッショナルに見ていただき、高い評価をいただくことが、第1の目標です。
その次には、他の業界に関しての人材紹介サービスも始めていきたいと思っています。各業界のプロフェッショナルに認められる人材紹介サービスを1つずつ増やしていくことが、弊社の成功への道であり、そこに付加価値があると思っています。  各業界に通じたプロフェッショナル集団として、その業界のプロフェッショナルの方々にサービスを提供していきたいのです。プロフェッショナルが育つための支援をし、弊社自身もプロフェッショナルが集まる会社でありたい。そうやってプロフェッショナルを輩出することが、世の中のためになると思っています。

--最後に大西社長の会社への想いをお聞かせください 。
 
「スペシャリティーが高い、プロフェッショナル集団である」という弊社としての使命に熱い思いを持っています。プロフェッショナル集団として何をやったらよりよくなるのだろう考え、実行していくことが楽しいですね。  コトラがプロフェッショナルとして認知され、仮に弊社を卒業していく人がいるとしても「コトラ出身の人は違うね」と言われるような、プロとしての自覚を持ってやっていきたいです。  プロとしてどうありたいのか。プロとしてどうしたら認められるのか。プロとしてどうしたらお客様からお金をもらう分以上のご満足を提供できるのかということを追求していく。それがプロフェッショナル集団だと思っています。

■株式会社コトラの企業概要

社名: 株式会社コトラ
代表者: 代表取締役 大西 利佳子
資本金: 3000万円
住所: 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-3-12 バンセイ室町ビル7F
TEL: 03-3242-7333
URL: http://www.kotora.jp/

事業内容:
1.金融、不動産金融業界を中心とした人材紹介事業
2.管理部門業務(ファイナンス、人事など)を中心とした人材紹介事業
3.ミスマッチ解消のための紹介予定派遣事業

関連URL:
1.セミナーサーチ
http://www.seminar-search.jp/
2.プラベートエクイティ.jp
http://private-equity.jp/

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国内最大級のオークション比較・検索サイト『Aucfan.com(オークファン)』を運営する株式会社オークファンの代表取締役 武永修一氏にお話を伺いました。(取材日:2007-12-07/聞き手:大口 顕典)


--現在の事業内容をお聞かせください。
 
弊社では現在、メディア事業とソリューション事業を展開しています。
メディア事業は『オークファン』(Aucfan.com)の運営です。この『オークファン』は、中立的な立場の国内最大級、かつ国内では唯一、過去相場が検索できるオークション・ショッピング比較・検索サイトです。日本国内の主要オークションサイトや有名国内ショッピングモールはもちろん、世界最大のオークションサイトなどの商品・価格情報を横断的に調べることができ、現在では、PCと携帯合わせて140万人以上の登録ユーザー様にご利用いただいております。

ソリューション事業では、『eコンビニ』という一括出品ツールをご提供させていただいています。『eコンビニ』は、ヤフオク・ビッダーズ・楽天・アマゾン、モバオクへの一括出品ツールです。オークションの出品にかかる手間を大幅に削減し、効率的に出品・運営・管理ができるASPサービスで、現在まで国内最多の、700社ほどのクライアント様にご利用いただいています。

また、新たに始めたリサーチ事業では、過去5年分のオークション関連の過去取引データ(3億5000万件、流通高2兆2000億円、検索語のログ4億件)をチャート化し、小売業、流通業のクライアント様に提供を始めています。

--『オークファン』について具体的に教えてください。
 
『オークファン』では、「Yahoo!オークション」(ヤフオク)、「モバオク」(auオークション)、「楽天オークション」、「ビッダーズ」などの国内主要オークションサイトをはじめ、「アマゾン」(Amazon.co.jp)、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」の商品を検索できます。また米国最大手のオークションサイト「eBay」(イーベイ)と「sekaimon」(セカイモン)、今後は中国「taobao.com」(タオバオ)の商品検索も可能になります。

単に検索するだけではなく、出品商品の一括比較や、過去に落札された商品の相場検索もできるのです。社内に保有するデータベースは約3億5000万件(流通総額2兆2000億円)を超えており、他に類を見ない事業モデルといえます。

オークションで商品を出品したいユーザー様は、『オークファン』で同じような商品が過去にいくら位で落札さていたのか、どれくらい取引量があったのかという相場をチェックできるので、そのデータを参考にして出品すれば、利益額や落札率、在庫回転数をアップできるわけです。また各オークションのカテゴリ毎の出品数推移や平均落札額などのデータ閲覧も可能ですし、仕入れ前の価格調査や統計の作成もできます。

ネットで商品を購入したいユーザー様は、『オークファン』で国内外合計14サイトのオークションサイトやショッピングサイトの商品を、一括で比較できますので、安い商品を探せます。また、次に自分がネットでも実店舗でも欲しい商品を見つけた時、いくらまでなら相場より安いかが分かります。

売りと買いの両方のニーズに相場が使えるので、以前から、新品を買って飽きたら中古で売る、という繰り返しで賢く生活している方が全国に100万人規模でいらっしゃいます。

さらに『オークファン』では、プレミアム会員限定の便利機能は豊富なデータ、など便利ツールを多数ご提供しています。オークションに留まらず、実店舗でモノを売っている業者の方々も多く活用いただいています。

--「eBay」の商品を日本から落札できる購買代行サイト「セカイモン」がオープンしたのは、2007年12月でしたね?
 
「Yahoo! JAPAN」と「eBay」が提携したので、「Yahoo!オークション」のユーザーはYahoo!JAPAN IDで「セカイモン」サイトにログインできるようになりました。この「セカイモン」の運営は、ネットプライスドットコムの連結子会社であるショップエアラインに委託されたというニュースになりました。このショップエアラインは、ネットプライスドットコムと弊社の合弁会社なのです。

「eBay」の日本進出おいて、当初から交渉を進めていたのは、オークション専業だった弊社だったのでは、と言われております。それについてはノーコメントですが、弊社はあくまでもユーザーのエージェントとして各オークションサイトを情報とツールによりつなげるサービスをしています。 アメリカのeBayに日本人が参入するビジネスでは、オペレーションの優位性が成否を大きく左右します。マザーズに上場しており、Eコマーズの販売力はもちろん、バックヤード業務でも評価の高いネットプライスドットコムが主体となり、2007年4月にショップエアラインを設立し、「eBay」からの落札業務を代行することになったのは当然の流れだと思っています。

--『オークファン』が140万人ものユーザーに利用されているのは、中立的立場を堅持しているからなのですね。
 
「Yahoo!オークション」を始め日本の主要オークションサイトの登録者は約1000万人以上と言われています。『オークファン』の月間140万人という数字は、実際に利用していただいているユーザー数ですので、国内オークションユーザーの何割かは『オークファン』をご利用していただいていることになります。

金額で言うと、『オークファン』経由の年間の流通高は、約1500-2000億円ではないかと思います。その金額は、オークションで出品する場合もあれば、落札する場合もあります。1年間に日本人が百貨店やスーパー、モール等の店舗から商品を購入する金額よりも多いのです。
  
弊社の蓄積されたをデータベースを元に価格を把握し、ユーザーが各オークションで出品・落札をする。同じユーザーでもモノを出品した次の日に、今度は別のサイトで落札もしたりします。つまり、「レンタル消費」という新しい社会概念が生まれてきてると思います。個人がモノを使用し、2次流通、3次流通と次々に新しい所有者に受け継いでいく。この流れにおあいて、弊社は世界的なインタラクティブ・ゲートウェイの役割を担っているといえます。その結果、各オークションサイトにも、トラフィックや流通促進という面で貢献させていただく。そういう相乗効果があるゆえに、大手の運営企業様とも親密な業務関係を保持していけるわけです。

--武永社長は、京都大学法学部に在籍中からネットオークション事業を始めたのでしたね?
 
そもそもネットオークションの便利さを知ったのは、自分で初めて利用したときだったのです。中古のパソコンを、家電量販店に下取りに出そうとしたら、引き取り金額があまりにも低かったのですね。数年前のモデルなので、当然といえば当然ですが。それでオークションサイトへ出品してみたら、みるみる値段が高騰し、量販店の見積もり金額の約4倍近い値段で落札されたのです。

これは便利だと思い、知り合いの質屋さんから安い商品を仕入れてネットオークションでどんどん販売しました。リサイクルショップや、ブティック、輸入業者などにDMや飛び込みで営業もよくやりましたね。

そうやって個人事業主として京都でネットオークション事業を始めたのは22歳のとき。ちょうど2000年で、パソコンはかなり普及していましたが、ブロードバンドもネットオークションもまだこれからという時代だった。儲けられる得意分野を一点集中しよう、ということで、メンズ服やブランド商品のジャンルに特化するようになりました。結果、売り上げは急増しました。業者からの仕入れも安定し、フランスやイタリアやアメリカへも商品を買い付けに行っていましたね。

やがて売り上げが1億円を超えるようになり、税理士から会社化を勧められたので、2004年4月に東京で株式会社デファクトスタンダードを設立したのです。

--2004年に株式会社デファクトスタンダードを設立した武永社長は、ネットオークション界のカリスマと呼ばれるようになりました。順風満帆の起業でしたね?
 
いえいえ、面白いもので、会社にしたら何故か全然儲からなくなったのです(笑)。オークション自動取引ツールを自社開発したのですが、最初の1年は大変苦しかったですね。一時期は大赤字に転落して、自分の貯金を全部つぎ込んだり、それでも足りずに、親にもお金を借りたり。起業したのは完全に失敗したなと思った時期もありましたよ(笑)。

そしてある日、当時ベンチャーの代表的存在だったライブドアのセミナーに講師として呼ばれたのです。「ビジネスツールとしてのネットオークション活用の成功の秘訣とは」というテーマのセミナー(編集部注:2004年12月16日開催)だったのですが、このとき、私がオファーして、一緒にYahoo!JAPANの営業部の方も講師来ていただけることになりました。

セミナーの受講者は、10億も100億も売り上げのある企業の方々も多かったので、私が「ネットオークションで1億以上の売り上げがありました」と話しても、驚きもしなかったのですが、こういうオークション自動取引ツールを社内で開発しましたと説明したら、大変な反響だったのです。

私の話を聞いていたヤフーの営業部の方も非常に興味を持ってくれ、親しくご相談しているうちに、いまのような事業のヒントを得たのです。

--『オークファン』サイトがオープンしたのは2006年1月からでしたね?
 
私が個人事業主の時代から利用していた「オークション統計ページ(仮)」というオークションサイトがありました。そのサイトは、ある方が開発・運営していたのですが、非常に利用者が増えており、オークションのヘビーユーザーはほぼ使っていると言われていました。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったIT業界の数々の企業が、そのサイトを買収したがっていると話も聞いていました。

しかし運営者は非常に優秀で人柄も素晴らしい方だったので、「条件面の話ではない。あなたたちに、私の子供でもあるこのサイトをうまく育てられますか?」いう思いで取り合っていなかったそうです。そのときちょうど私たちが相談に行き、「我々なら育てられます。なぜならこのサイトを利用してきたユーザーだからです。このサイトをさらに伸ばすことに、誰にも負けない熱意があります。価格.comの創業メンバーがいますので技術的にも問題ありません。安心して任せてください」と申し込んだのです。

そうしたら、「では、あなたたちにお譲りしましょう。頑張ってください。僕は今、ゲーム系の新規事業の立ち上げを一人でやっていて忙しいので」と、サイトを譲渡してくれたのです。それが現在の『オークファン』の始まりです。そのとき、その方が一人で準備していた新規事業が実は、「モバゲータウン」だったのですよ。(編集部注:「モバゲータウン」の正式オープンは2006年2月7日)

--株式会社デファクトスタンダードからメディア事業を新設分割するために、2007年6月に株式会社オークファンを設立したのですね?
 
株式会社オークファンを設立したのは、『オークファン』サイト自体の今後の世界的な成長戦略とも大きく関わりのあることです。

『オークファン』はあくまでもユーザーに立脚した中立的な立場で、あらゆるオークションサイトのゲートウェイとしての事業を、今後も強化していきます。その点では現在、日本で規模的にも知名度もno.1になっていますが、今後『オークファン』は世界展開を目指していきます。
とはいえ、「海外に進出します!」と肩に力が入っているとか、PR先行型という訳では全くありません。 米eBayとの関係も、オークション市場の国際化という流れの中では当然の事だと思っています。

元々弊社には、英語圏、中国語圏を中心に、海外からのユーザーがかなり多いというのもあります。また、モノとモノの取引は、価格情報が明確であれば容易に取引の場は国境を越えます。世界中のユーザーがネットオークションを通じて生活を豊かにし、「レンタル消費」を実現するサービスを、もっと提供していきたいですね。『オークファン』が今後さらに世界中のオークションサイトと繋がっていけば、世界中の人たちが『オークファン』を利用し、簡単に商品を売り買いできるようになります。そうすると『オークファン』を中継地点にして、色々なサイトをモノやお金が循環するようになる。つまり、個人の欲求と社会貢献性のあるエコやリユースの概念が、一致する市場でもある訳です。この流通の新たな仕組みによって、日本をはじめ世界経済の活性化に貢献できればと思っています。

--『オークファン』の世界展開に関して、具体的な計画はありますか?
 
現在、『オークファン』には世界中からのアクセスがありますが、アメリカと中国からのアクセスは特に多くなっています。アメリカ人は、日本の家電、アニメ、自動車のパーツなど、中国や韓国の方はデジタル機器、アパレル、スポーツ用品など幅広く購入しています。

中国の方は、たとえば『オークファン』でニンテンドーのWiiを3万円で購入し、それを中国のネットオークションで6万円で転売する方がいるわけです。そうすると3万円の儲けですが、中国ではそれで一家5人が一月生活できてしまう。だから日々割安な商品を検索しています。また、アメリカの方であれば、自国の実店舗やネットで売るより、日本のオークションの方が高く売れる商品もあります。今後は、英語版、中国語版の『オークファン』サイトや出品ツールも展開する計画です。

また、国内の商品データベースは先ほどお話した通り膨大なボリュームですが、各国のオークションサイトの過去データも、着実に弊社にログ化されています。商品の取引価格は、いわば「モノの時価(フェアバリュー)」です。それは、例えばメーカー希望価格など、供給側理論の提示価格ではありません。出品者と落札者がお互い合意して成約した、まさに市場価格が表れています。

これにより、世界中のユーザーが、「あらゆるモノのフェアバリュー(時価)」を認識し、売買のアクションを起こすためのトリガーとなっていきます。

また、最近満を持して開始したデータ提供については、個人ユーザーはもちろん、リサイクル業、小売業、流通業などを中心とした業界から待望いただいております。「モノの時価」と「流通量」が分かれば、仕入や在庫管理、販売の面でネットでも実店舗でも役立つからです。

しかし、もっと違った業界でも役立つ可能性が見えてきました。それが金融業界です。政府が推し進めているABL(動産担保評価による融資)や、商品の残存価値に注目した残貨設定ローン、携行品損害保険の算定など金融商品です。

このあたりについては、まず弊社以外にはできない優位性があり、また、海外事業と並んで今後の大きく飛躍する分野と認識しており、今後より注力していく方針です。

■株式会社オークファンの企業概要

会社名:株式会社オークファン
代表者:武永 修一
設立:2007年6月
資本金:1億552万円
住所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-3-14 ASAX広尾ビル5F
URL:http://aucfan.com

事業内容:
・月間ユニークユーザー数140万、総PV4500万(携帯版は別途UU25万、総PV700万)以上を誇る国内最大のオークション統計・検索サイト『Aucfan.com(オークファン)』を運営

・複数のオークションに対応した一括取引システムの提供
一括出品ツール『eコンビニ』 http://www.e-conveni.net/

・国内・海外のオークション取引データ(約3億5000万件以上、流通高2兆2000億円)を生かしたCtoC市場のマーケティング、流通支援事業、金融事業などCtoC市場の周辺事業

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WEB事業企画〜運営・コンサルティング等幅広いサービスをワンストップで提供する株式会社ウェブスマイルの代表取締役 渡辺英志氏にインタビューしました。
(取材日:2008-01-17/聞き手:田中 偉嗣)


--現在の事業内容をお教えください。
 
弊社は、WEB全般のコンサルティング、事業企画、制作に関わる事業を行なっております。弊社では、立ち上げ段階から事業企画やサービスの検討に参加し、そこから派生するシステムやサイトの構築、プロモーションなどを一気通貫して一緒に検討させていただいています。
また、SNSを使ったサービスのプランニングなども行なっています。アウトプットとしては、企業のWEBサイト、会社案内などが多いですね。

弊社の特徴は、ヴァーチャルだけでなくリアルを融合させたサービスのご提供が可能なことです。ヴァーチャルとリアルの融合については、最近よく聞かれるとは思いますが、弊社におけるリアルとはイベントや展示会の空間をいかに作っていくかというところになります。五感という言葉がありますが、WEBにおいて、たとえば空間の静けさを表現するのは非常に難しい。それがリアルであれば肌で感じられるし、WEB以上にインパクトに深みが出るということで、リアルで培った空間の使い方・感じ方をWEBで再現することに注力しています。
 
WEB事業の片軸であるモバイル分野では、ペットショップチェーンで、世界初のリアルに動くペット画像の提供をさせていただいています。また、100万人以上の規模を持つある媒体のBtoCのカスタマーに対して、ブランド価値の向上や収益モデルの構築についてのコンサルティングなどを、創業以来手がけさせていただいています。リアル分野においてもイベントや展示会のお手伝いをさせていただき、2007年に、あるイルミネーションイベントでは、運営コンサルティングとして参画させていただきました。
リアルイベントについては、大手の広告代理店だと返って作業が小分けにされてしまいますが、弊社では代理店業もかねてプランニングから実際の運営までをワンストップでご提供できるのが強みです。

会社はスタートしたばかりで、まだ何億という規模の仕事ではありませんが、中堅どころの仕事をきちんとこなしていくことで、幅を広げてゆく段階だと認識しています。最近は困難な課題を抱えるお客様が弊社に声をかけてくださることが多く、さまざまなお仕事を経験させていただくことで、日々成長をしていると実感しています。

--起業に至った経緯は?
 
私は流通業界に10年近く在籍し、その後、全く違う分野のモバイル業界に飛び込むことを決めました。当時モバイル業界は一番加速している分野で、1年経験すれば一人前になれるような成長のスピード感があり、非常に気に入ったからです。そのモバイル業界で2年間在籍し、モバイルだけでないWEB全般の会社に入社し、事業会社で最高執行責任者(COO)という立場で経営参画も経験しました。
実は過去にモバイル事業で失敗して部門として赤字を生んでしまったことがあります。そこで事業責任を負う立場を経験し、今度は事業責任も含む会社の経営責任者として、経営に深く参画することになったのです。
 その経験において内部要因だけでなく、外的要因、意思決定の重要性などを考え、自らオーナーシップを持ち、すなわち経営をすることを決意し、2007年に起業を決意しました。

--今後どのような成長戦略をお考えですか?
 
弊社ではユニット型事業モデルを採用しています。100人規模の会社を1社作るのではなく、20人の会社を何社も作るという考え方ですね。今後はすべての事業を子会社化していき、ウェブスマイルをホールディングス化することを目指しています。現在3つある事業部(コンサルティング事業部、プロデュース事業部、メディア事業部)を2年後には独立させるべく、事業部長に対して社長になるという意識づけを行なっている状態です。

私自身が今まで事業マネージャー、副社長、社長と経験してきた中で、社長以外は事業マネージャーであろうが副社長であろうが全て同じであるということを実感しています。社長業はすべての意思決定と責任を負い、決して楽ではない仕事です。しかしプレッシャーが大きい分だけ成功の喜びも大きい。そういった熱い思いを持った人間とこれからも仕事をしていきたいと考えています。
4年後には、最大20名規模の会社が4つは立ち上がると思います。小回りが利き、ワンストップでのサービスをグループ内で展開できることで、今以上に強い集団が築けると思っています。

事業モデルとしては、自社メディアの立ち上げを急務としています。弊社はいわば労働集約型の事業モデルのため、リスクはないにしてもリターンがある程度ないと、WEBの成長路線に遅れてしまう可能性があります。自社メディアによってストック型の安定性のある事業ベースを築き、またサービス自体の魅力をもって優秀な人材の確保にもつなげたいと考えています。
また、プロモーションイベントを含めたプロデュース事業や、本業ともいえるコンサルティング、事業企画から立ち上げまでを担うモデルをきちんと法人化する方向で検討中です。

--最後にこの事業にかける想いをお聞かせください。
 
社名の「ウェブスマイル」とは、WEBで世界中の人を笑顔にしたいという想いのほかに、実はもうひとつの意味があるのです。それはWEBでリアルな笑いを表現するということ。現在、感情の距離感をもっと縮めるための表現手法は、笑い以外には、世の中にまだ答えがないのです。弊社は難しいことを追い求めていくという意味でも、WEBで笑いや楽しさを表現できれば、もっと世の中が変わるのではないかと信じています。そこが課題でもあり、理念でもあり、われわれの存在意義なのです。

目指すところはWEB業界のリッツカールトンですね。リッツカールトンのお客様は、単なる宿泊施設としてそこを選ぶのではなく、他では得られない経験やサービスを求めてやってきます。弊社も当たり前のことを解決するだけではなく、この会社に入社すれば困難な課題も解決してくれる、そんな期待をお客様に持っていただけるように努めているのです。

その中で、重要視しているのが人とのつながりです。すべての仕事、サービスは人によってもたらされます。よくBtoB、BtoCと言われますが、弊社ではPtoP、すなわち人と人との接点を大切にしているのです。私自身、同業界の社長に対してはライバルではなく仲間という意識を持っています。会社という枠にとらわれず横のつながりを築いていくことは、今後この業界に新しい発展をもたらすうえでも非常に重要なことだと考えているのです。

■株式会社ウェブスマイルの企業概要

社名: 株式会社ウェブスマイル
代表:渡辺 英志
設立:2007年5月
資本金:9,500,000円
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿6丁目7番1号 エルプリメント新宿6F
TEL:03-5919-3120
FAX:03-5919-3160
URL:http://www.websmile.jp/

事業内容:
1.web全般に関わるコンサルティング事業
2.web事業企画、マーケティング事業
3.webサイトの企画、制作、運営業務
4.webシステム開発事業
5.企業マーケティング、事業推進支援事業
6.広告代理店事業
7.SEO、SEMサービス事業
8.イベント企画、立案、実施運営事業
9.自社サービス、プロダクト販売事業

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広告代理事業を中心として、広告メディア事業、e-commerce事業、コンテンツ事業まで、インターネットマーケティングを活かした事業展開を進めている株式会社コーボーホールディングスの代表取締役社長 古城 剛氏にインタビューしました。(取材日:2008-02-07/聞き手:田中 偉嗣)


--現在の事業内容をお教えください。
 
弊社はインターネット事業を中核にして、インターネットサービス事業、SEO対策を含むインターネット関連コンサルティング業、広告代理業、Web制作業、システム開発受託業、など、多岐に亘って事業展開しております。

現在の事業は、広告代理店業がメインになっており、プロモーションのトータルプランニングを得意としています。2006年はモバイル広告に強いというのを売りにして、他社と差別化を図っていました。2007年には、市場的にリスティング広告やLPO(Landing Page Optimization)のニーズが急激に伸びたので、弊社でもPCでのプロモーションサービスの売上が伸びましたね。
プロモーションの分野はすべてさせていただきましょう、というコンセプトでサービスをご提案していますので、お客様のほうからWEB制作やシステム関係のコンサルティングを頼まれたりもします。また簡単なシステム開発であれば、私どもがプロデュースさせていただいています。

--メディア事業では自社メディアも展開しているのですか?
 
最初は、2004年にモバイルのメディアをいくつか開設いたしました。今年(2008年)は、ECメディアの「大人買いジェイピー」を立ち上げ通販事業の拡大を図りたいと考えています。このサイトは「大人を子供にする」というテーマを掲げて漫画とホビーを販売します。

広告代理業は人=社員に依存する事業体なのですよ。コンサルティングが伴うというところで、社員教育にけっこう時間がかかります。ですから弊社としては、会社の拡大を図る上でメディア事業やEC事業などを立ち上げ、社員の成長を促進させながら各事業のシナジーを活かしていきたいと考えています。

--起業に至った経緯をお聞かせください。
 
私は日東電工株式会社という会社に勤めておりました。日東電工は電子素材、自動車製品、工業製品など製品の中間材料を幅広く手がけている大企業で、私が勤めていた当時で3000人くらい社員がおり、売上は3500億くらいでしたね。今は6000億くらいに伸びていますが。
私はもともと理科系出身で化学が大好きでしたので、自分の知識を生かして、日東電工では半導体の材料の営業を行っていました。当時は、サラリーマンは最高だと思っていましたね。仕事のフィールドを与えられ、会社の看板を背負わせてもらって、楽しい化学に携わった仕事ができる。とても楽しかったですね。
入社2年目に、社長直轄のプロジェクトメンバーに選んでいただき、新規事業の立ち上げに参加しました。そのときの体験が、今振り返っても大変貴重なものでしたね。サラリーマン時代の中でも一番成長できた時期だと思います。その後、25、6歳のときに、海外転勤の話があり、自分でも新たなチャレンジだと思ってやる気になったのですが、会社の体制が年功序列だったこともあり、私が実際に海外転勤になるのは30歳くらいになってからだと言われました
もともと私には、20代の間にできるだけ成長したいという強い思いがありました。海外転勤という新しいチャレンジでさらに成長できると思っていた矢先に、あと4〜5年待てと言われた。でも私には成長をさらに加速させたいという思いが強く、それならば自分でチャレンジできる環境に打って出てみようと思い、転職を決意しました。

日東電工を辞めて転職した会社は、社長を含めて社員が3〜4人のベンチャーでした。マンションの1室で、ほぼ0からネット広告事業を構築していったのです。私が入ったとき、売上が月に50万しかなかったのですよ。これはまずいと思い、必死になって4ヶ月で3千万まで売上を伸ばしました。その後、この会社は年商16億くらいまで伸び、楽天リサーチに統合されました。
自分でもかなり頑張ったと自負していたのですが、ある時ふと社長を見たら、私よりももっと成長していた。つまり、社長業というのは様々な仕事があるうえに、課題が山積み。そんな大変な課題を沢山抱えることで、さらに成長が加速するのでは!?と思いました。
そうして起業を決意したのです。

起業後はまず、フリーのコンサルタントとして開業しました。インターネットの新規事業のスーパーバイザーなど、様々なコンサルティングを約1年弱ほどさせていただきました。楽天リサーチの立ち上げも手伝ったのですよ。サラリーマン時代に比べて3倍くらいの年収になりましたが、しかし会社組織を作り、たくさんの社員を入れて事業を行なっていくことが、また自分の成長に大きくつながるのではと考え、2003年5月に株式会社コーボーホールディングスを立ち上げました。

--起業当初の事業内容は?
 
広告業務には自信があったので、社員2〜3人で広告代理店業から始めました。また設立当初から1年間は、私はドリームゲートの立ち上げにも参加していました。
ドリームゲートは、起業家を生み出せる文化を日本に根付かせようという趣旨で、経済産業省が民間に委託して始まった起業家支援事業ですが、教育関係の人たちにもたくさんお会いできたので、社員教育や教育全般に関する考え方を勉強させていただきましたね。
またたくさんの起業家の方々にお会いする中で、私自身はメーカーの仕事が身に沁みているので、形がなくても物を作りたい、自分で何か企てたいと改めて思ったわけです。自分は、起こすほうでなくて、企てるほうの企業家だなと思いましたね。それで2004年からは本格的に、コーボーホールディングスの事業展開に注力するようになった次第です。

--企業としてどのような目標を掲げていますか?
 
3年後には100人くらいの規模の会社にしたいですね。私だけでなく、社員にとっても、たくさんの人間と関われる環境が“成長するため”には望ましいと考えています。成長に対して貪欲な私は、社員にも成長する場を提供したい、教育にもっと力を入れていきたいと考えています。伸びる要素を持っているにも関わらず、伸びきっていない若い人がたくさんいます。巧く伸ばしてあげられる環境や体制を整えていけば、社員は必ず成長するはず。その結果として、会社も成長するだろうと思っています。

また、私はインターネット業界に8年ほどいますが、ひとつの事業に捉われて成長している企業はあまり見ていない。弊社でも、広告代理業の軸足は変えていませんが、毎年収益の柱となる事業内容が違うのですよ。そのほうが、売上が300%もドーンと伸びたり、営業利益も激増したりする場合がある。ひとつの事業にこだわるよりも、その時々の市場の流れに応じて、爆発力をもって取り掛かったほうが、伸びしろがあるのではないかと思っています。
インターネット業界の成長スピードはものすごく早い。そのスピードを見据えながら、インターネット業界での「情報流通」を促進させることが、弊社の企業理念です。ですから、広告代理業をコアにして従来のBtoB事業をうまく伸ばしながら、爆発力のあるようなBtoCビジネスモデルをうまく立ち上げていきたいと思います。2006年と2007年の売上が、それぞれ5億円くらいですが、今後のBtoC事業展開で、いわゆる「10億円の壁」と呼ばれている壁を乗り越えていきたいですね。

--IPOの計画は?
 
IPOはあくまでの資本調達の手段なので、それがいつの時期に必要なのかは、事業モデル次第ですね。人様のお金を預かって投資しなくてはならない状況になるので、それだけリターンをステークホルダーに提供できるのかも含めて責任が問われます。
3年後くらいにはIPOをしたいなという思いはありますけど、それは社員数と同じで、IPOできるくらいの事業モデルの構築及び社員数、ないしは今後の社員の獲得にあたってのIPO実現というように考えています。

--最後に古城社長の夢をお聞かせください。
 
随分前から私は、引退後には教育者になりたいと思っていました。その思いは現在の会社でもいくらか実現したいと考えています。私自身が教育者として後方支援に回ることで、しっかりした基盤を持って成長できる会社にしたいと思っているのです。学校教育を終えて会社に入っていただいてからも、人間として社会人として成長できるスキムを、会社の中で作れるといいかなと思いますね。

生きている中で大半の時間を費やすのが仕事。その仕事を通して、人として成長しなかったら、もったいないですよね。当然仕事のスキルも成長してほしい。仕事の中で人として成長でき、大きくなれたということを、弊社に入って実感して欲しいのです。
私自身もいろいろな人に育てていただいたという思いがあるので、同じような思いを社員皆にも感じてもらえれば、仕事に対して一所懸命になりますし、もっといろいろなことを吸収したいと思えるはずです。

■株式会社コーボーホールディングスの企業概要

社名:株式会社コーボーホールディングス
代表者:古城 剛
資本金:1,000万円
設立:2003年5月1日
本社所在地:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21-3戸田ビル3階
TEL:03-3341-6700
URL: http://www.co-bo.jp/

事業内容:
1.インターネット広告代理事業
2.インターネットメディア事業
3.インターネットコンテンツ事業
4.システム開発受託事業
5.Webサイト制作事業

関連URL:
1.大人買いジェーピー
http://otona-gai.jp/

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