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技術ライターの Farhad Manjoo 氏が、Apple が数か月前から犯してきた失敗を Slate に列挙し、以下のような疑問を投げかけている。
消費者が Apple の問題をさほど気にしていないのはなぜか? 
Manjoo 氏の記事によると、同社が苦労して分厚いテフロンコートを身にまとったことも要因の1つだという。
Apple の長年にわたる心得たブランド広告の展開と純粋に優れた製品の相次ぐ投入が大きな好感度アップにつながり、その結果、同社が時折犯す失敗を人々がどんどん大目に見るようになっていった。
さらに、Apple やその製品に否定的なことを書いたことのある人ならだれでも証明できるだろうが、これらの人々の多くは Apple を嫌う人、理解力のない人、そして Jobs 王国を非難する Windows の得意客から、喜んで同社の名誉を精力的かつ公に守ろうとするのだ。

Manjoo 氏はここまで高い忠誠度を考えると、製品やサービスへの苦情に対する Apple のおざなりな対応はひどいものであり、今後ビジネスへの悪影響もありえると考えている。
同社(Apple)は、何か失敗をするとすべての開示よりも秘匿を選び、若干のミスは顧客がすぐに許すものと見込んでいる。MobileMe の崩壊に対する同社の対応が典型的な例だった。障害の続いた立ち上げから数日間、Apple は障害の原因を明かすことを拒否していた。同社は MobileMe がなぜダウンしたのかを明かさず、MobileMe がいつ復旧するかも明かさなかった。New York Timesの David Pogue 氏Wall Street Journal の Walter Mossberg 氏が批判的なコラムを書いことで、Apple はその態度をようやく変えたのだった。...

Apple は、iPhone の問題に関してもほぼ同じ「おざなりな」対応をとっている。Apple に重点を置く複数のブログは先ごろ、iPhone の問題に憤る2人の顧客に Jobs 氏が1行だけの電子メールを送信したことを伝えている。同氏はいずれにも、Apple では今この問題に取り組んでいる、とだけ書いている。
もちろん、小売客から送信された苦情に個人的に返信する大手企業の最高経営責任者(CEO)が多くないことは指摘しておく価値がある。しかもそれは、「どういうことでしょうか。これまでの恩を忘れて問題ですって? 」のような内容ではなかった。それは、簡潔で礼儀正しいものだったのだ。

Manjoo 氏によると、要は Apple のマーケットシェアと顧客ベースが「長年の熱狂的 Mac ファンという、同社を弱者と見なして良しとする人々」以外にまで拡大しつつあるのだという。確かにそのとおりだ。だが要するに、Apple の新しい顧客は同社の製品が、高圧的な Apple ユーザーの友人から何年も前から聞かされていたように偉大で素晴らしいものだと想定しているのだ。そして何かがうまくいかないとき、彼らの方はそこまで寛大になれないのだ。

利益増の代償は何? (2008年08月26日)


New York Times の日曜版に、SAP が利益拡大と、それに向けたトップ幹部の段階的交代に力を入れつつあるという面白い記事があった。
複雑な業務用コンピュータアプリケーションの巨大メーカーであるSAPで最高経営責任者(CEO)を務めてきた Henning Kagermann 氏は、ゆっくりとした移行戦略を進めつつあり、3月にはその職を共同 CEO の Leo Apotheker 氏に完全に託す。Apotheker 氏は SAP の営業畑を歩んできた人物で、元物理学教授で開発者として名声を得た Kagermann 氏とは全く異なる経歴の持ち主だ。

この交代劇は金融市場でさまざまな憶測を呼び、新しいプロジェクトに現金を投じたソフトウェア知識人らは確実なもうけにつながるところに資金を移しつつある。 ...

実際、同社はより収益重視の方向へと向かいつつあり、同社を収益性の高いビジネスソフトウェア業界のトップに立たせた数十億ドル規模の技術投資は減少傾向にある。

どうやら、企業が業務遂行の頼りとする洗練されたソフトウェアの開発だけでなく、投資家の要求を満足させる点でも最大のライバルである Oracle に対抗できることを証明するのが SAP の目標であることは明らかなようだ。

Oracle は2007年、同年の税引前の利幅で SAP の利益率である26.7%を大幅に上回る約35%を達成した。これも、数年間も売上を伸ばし続けながら SAP (TM)の株価がさえない理由の1つだ。


利益拡大を求める株主からのプレッシャーに耐えるのが難しいことは理解できる。しかし、利益の拡大が最優先目標になるとそこには代償が伴う場合が多い。費用削減のための節約に走るため、たいていは品質管理がその影響を受ける。Times の記事の指摘によると、コスト削減対象となる可能性を秘めたものの1つが社員だという。


SAP は、ドイツ国内で良くある経費抑制のための不愉快な大量レイオフを考えなくても利幅は拡大できる、と強く確信している。


顧客のニーズを理解し、品質の高いビジネスソフトウェアを提供することでそれに対応することから業界で確かな評判を得ている SAP が、品質を犠牲にして純利益を求めることで名声を傷つけたのでは面目が立たない。なにしろ、SAP は既に利益を出しており、経験もある。だが、同社の新しい戦略が株価に対する嫉妬に誘発されたものだとすればさらに悪いことかもしれない。SAPと、同社最大のライバルであるOracleのここ10年間の株価推移グラフを見ると、その違いはほとんど分からない。2000年(’90年代の IT 株ブームの絶頂期)から筆者が抜粋した任意の3年分の年初初値と先週金曜日の終値の価格を以下に示す。
Oracle SAP
2000 31.16 52.56
2003 10.94 20.22
2006 12.25 45.61
8/22 22.52 55.88
興味深いことに、 SAP の株価が2000年1月3日より若干値上がりしている一方で、Oracle 株は28%減となっている。Oracle の株価が SAP のそれを上回って伸びるのは2006年以降のことだ。

最後に「ここにもあの人が」のコーナーだが、Times の記事には、Datamation で長年コラムを書いている Enterprise Applications Consulting の Josh Greenbaum のコメントも出ている。Josh が SAP と Oracle について書いた最新記事がこちらにある。


「エレガント」な Mike Elgan が、いわゆる 「エコ」な小型デバイスと、現実がその誇大宣伝にふさわしいかどうかについて、Datamaion に素晴らしいコラムを書いている。

Elgan の思いは筆者と同じだ。筆者は環境対策にも製品改良にも賛成だが、一応「エコな」製品とされるものを巡るナンセンスには飽き飽きしつつある。

彼が「エコ偽装」の例として言及しているものの例を以下にいくつか示す。



ここ最近、「エコ」家電製品が急増している。しかし、この急増の効果は出ているのだろうか? 
    • 中国の Hoshino という会社は先週、生物分解性の USB メモリを発表した。プラスチックの外装はトウモロコシ由来のポリラクチドでできている(まだ実験していないので、実際にトウモロコシの「味がする」かどうかは分からない)。
    • Costco では別の「エコ」フラッシュメモリドライブを販売している。ATP 製の8G バイト「EarthDrive」は、「バイオリサイクルした素材を最大限利用している」とメーカーが主張する(だが「最大限」とはどの程度の量なのだろう? )。
    • 一方、Dell も先ごろ、「最もエコで、最も電力効率の高い消費者向けデスクトップ」だとするスタイリッシュな「Studio Desktop」を公開した。これらは、鮮やかなカラーが選べたり、本物の竹でできたケースが用意されている。また、紙のマニュアルは75%減らされ、消費電力も「通常のデスクトップ」より70%低い(同時に、拡張スペースも70%縮小されているようだ)。


Elgan は記事の最後の方で2つの素晴らしいコメントをしている。その1つ目は、消費者向け電子機器はすべて環境に悪影響を与えるというものであり、2つ目は、本当に地球を助けたいなら「スーパーハイエンドで耐久性の高い家電製品を購入する」ことだという。

ここでちょっと、エコの話や Andy Rooney の番組的な話から話題を変えさせていただく。筆者には小型 USB メモリでどうしてもいただけないことがある。これらは小型だし、外出時もデータを肌身離さず持ち歩きたいのならキーホルダーにだって付けられる。筆者が困るのは、小型 USB メモリは一度スロットに指さないと(もしくは極小文字でメモしないと)中身が絶対に分からないことだ。筆者の机の上にはこれが5個置いてあるが、請求書マスターがどれに入っているかは全く分からない。

Zip ドライブ、書き込み対応 CD、あるいは、あのフロッピーディスクはご記憶だろうか? これらには、だれでも見られるようにファイル名を書いておくことができた。昔はよかった。

もしかしたら、だれかがこの問題を解決しているのに筆者が知らないだけかもしれない。もしそうならだれか教えていただきたい。
 


タンスの中、クローゼットの中、そして引き出しの中と、古い小型電子機器が家中にあふれているのは分かっている。それは、新モデルに散財して忘れていたデジタルカメラであったり、強い欲望に負けて購入したものの、とびきりのビデオ対応モデルを購入して忘れてしまった iPod かもしれない。
 
このように、まだ役に立つのに愛用していない電子機器は、たとえ eBay でさばくのが面倒でもある程度の金額になる。そこで登場してきたのが、不要品を買い取ってくれる多数のサイトだ。
 
Gazelle --- 携帯電話から MP3プレーヤー、そしてゲーム機まで何でも買い取る。品物を送付すれば査定を行い(それが説明内容と一致するかを見る)、約1週間で支払いを行うという。
 
VenJuvo -- 基本的に Gazelle と同じで、壊れているものでも買い取る(おそらくは大幅に安い金額になるだろう)。彼らは現金の代わりに KMart のギフトカードも扱っており、こちらなら現金に対して10%のボーナスが付くという。
 
MyBoneYard -- 買い取る品物の種類は若干少なく、現金ではなく Visa のポイントで支払う。
 
利用の際のコツ:条件を受け入れる前に、自分の品物をこれら3サイトすべてで試してみる。支払額は大幅に変動する可能性があると聞いている。
 
当然、これらのサイトは買い取った品物をより高値で再販するし、海外で販売する場合もある。したがって、eBay に出品する手間は省けるが、 その分売り手に支払われる金額も少ない。
 
しかし、ここで疑問がある。各社の間に大きな違いはあるのだろうか? これらのサービスの利用経験がある方に聞きたい。


また新たなデータ漏えい事件が新聞をにぎわせている。今回は、フロリダ州およびバージニア州の数万人の生徒が関係したものだ。

The New York Times が8月18日に報じたこのニュースは、受験準備会社の Princeton Review と、同社ウェブサイトの一部が関係している。

The Times は以下のように報じている。 ...


「...同社はフロリダ州の生徒数万人分の個人データと共通テストの得点を自社ウェブサイトで7週間もの間誤って公表していた。

同サイトのコンフィギュレーション関連で脆弱性があり、比較的単純なウェブアドレスを入力するだけで同社のコンピュータネットワーク上にある教材や社内連絡などを含む数百ものファイルにだれでも自由にアクセスすることができた。

別の受験準備会社によると、競合調査中に偶然これらのファイルを見つけたという。この会社は、匿名を条件に The New York Times に内部ファイルのウェブアドレスを提供した。The Times がこの問題を18日に Princeton Review に通知したところ、同社はすみやかに自社サイトの当該部分へのアクセスを遮断した」


今回の最新のデータ漏えいに関するコメントを得るため、筆者はEnterprise Strategy Groupの情報セキュリティ担当シニアアナリストである Charlotte Dunlap 氏に話を聞いた。

Dunlap 氏は、「これは、セキュリティ技術を適切に使用していないインターネットの利用を通じて企業各社が人々のプライバシーの安全を侵害するという、現在進行中の問題の最新の例を示している。これは、T.J. Maxx 事件で初めて一般に知られるようになった一連の同じような出来事を浮き彫りにしている」と語っている。

Internetnews.com の報道によると、T.J. Maxx は2003年から2006年にかけてハッカーの攻撃を受け、「少数」の顧客のクレジット/デビットカードの情報を奪われたという。)

Dunlap 氏によると、Princeton Review の失態は、データ漏洩防止(DLP)などの今後有望なセキュリティ技術の重要性の高まりも強調している。同氏は、「Vontu のような企業が買収で Symantec から3億5000万ドルも引き出せたのはこのような理由があったためだ」と語っている。Vontu は DLP 技術で業界をリードしている。

ここ2年ほどは、McAfee が最近買収した Reconnex など、ほかにも多数の DLP プロバイダーがセキュリティ/インフラ企業に買収されている。

Dunlap 氏は、「データ漏えい時の顧客への通知を企業に義務づける法令が全米で増えるなか、これからはネットワークインフラに DLP 技術が統合されていくだろう」 と語っている。このような漏えい事件を受け、企業各社がブランドの評判を懸念しているのは明白だ。

同氏によると、DLP を勢いづかせているのはもう1つ、知的財産(IP)が漏えいする可能性と、IP を入手したライバルが手に入れる競争上のアドバンテージだという。

Princeton Review 事件は自社のデータ保護戦略の評価を企業に促すはずだ。だが、今回のような大惨事が起こらないと企業が変わらないことがあまりに多すぎる。